インフォメーション
| 題名 | 「気にしない」女はすべてうまくいく |
| 著者 | 有川 真由美 |
| 出版社 | 秀和システム |
| 出版日 | 2019年12月 |
| 価格 | 1,430円(税込) |
いま、ほとんどの女性が仕事をしています。女性の働き方は、男性よりも多様化し、同時に仕事、人間関係、恋愛、人生などの悩みも複雑化しています。ところで、あなたは悩みを気にしすぎてクヨクヨ、イライラしていませんか?本書は、女性がラクに生きられるように「気にしすぎ」から卒業し、やわらかく考える心のクセを持つための様々な方法を紹介します。「これは、今の私に必要」と思うものからどんどん取り入れてください。
引用:秀和システム
ポイント
- 「気にする」こと自体は、よくないことではない。しかし気にしすぎてしまうと、クヨクヨ、イライラといった感情に支配され、大切な時間を無駄に過ごしてしまうこともある。「気にしない習慣」を実践することで、まわりの反応やものごとの結果が明るく変わっていくのを実感するはずだ。
- 「気にしない人」になろうと思うなら、最初の一歩は、「もうひとりの自分」になって自分を見てみること。気にしてしまうときは、恐れや不安の“感情”が暴走し、適切な判断と行動ができなくなっている。それをもうひとりの自分の客観的な視点から見てみることで、感情のコントロールができるようになる。
- 人の目を気にしてしまうのは、自分の価値基準をまわりに委ねているということでもある。「私はこれが好き」「これをしたい」という自分の世界をもち、「人の評価」よりも「自分の満足」を優先するようになると、ラクに生きられるようになる。
サマリー
はじめに
「気にする」ということは“危険察知センサー”のようなものである。
古来、人間は生き延びていくために危険を察知して記憶にとめておく必要があった。
とくに女性は、子どもを産み育てながら自分の居場所を守っていくために、危険に目を光らせて警戒してきたのだ。
気にすること自体は、よくないことではないし、いい方向に作用することもある。
しかし気にしすぎてしまうと、クヨクヨ、イライラといった感情に支配され、大切な時間を無駄に過ごしてしまうこともある。
本書は、そんな「気にしすぎ」から卒業するためのさまざまな方法を集めた。
「気にしない習慣」を実践することで、まわりの反応やものごとの結果が明るく変わっていくのを実感するはずだ。
他人のカンにさわる言動を“気にしない”
自分の心の動きを実況中継する
「気にしない人」になろうと思うなら、最初の一歩は、「もうひとりの自分」になって自分を見てみること。
気にしてしまうときは、大抵、恐れや不安の“感情”が暴走している。
感情は主観的なものなので、「そんなの、やだーっ!」と目の前の危険を過大評価して、適切な判断と行動ができなくなってしまう。
それを、もうひとりの自分の客観的な視点から「ちょっと待ったー!」と見てみることで、感情のコントロールができるようになる。
「あの人はひどい」という相手への視点を、「いま、結構イラッとしている」と自分の心に視点を移すだけで、暴走する感情にストップがかかる。
思い込みを“逆さ発想”にして考える
ショックな出来事が起きたときは、さまざまな思いが浮かぶ。
たとえば、営業先で「キミはこの仕事に向いていないね」と嫌味を言われたら、「自分は嫌われている」「自分は仕事ができない」などと考えてしまうだろう。
しかし、これは勝手な思い込み、いわば妄想である。
その思い込みを“逆さ”から、「いや、待てよ。~ではないかも。なぜなら~」と考えてみよう。
「いや、嫌われてはいないかも。なぜならよく電話をくれる」「いや、仕事ができないわけじゃないかも。なぜなら、上司からほめられることもある」というように。
大切なのは、いま自分が考えていることを「これは妄想」と気づくこと。
気になっているときは、事実を悲観的に、大げさに考えている。
逆さ発想をすると、思い込みから解放されて、柔軟な考え方にシフトしていける。
ムカつく人の言動をおもしろがってみる
だれかのカンにさわる言動には、「おもしろいじゃないの」とつぶやいてみよう。
「おもしろいじゃないの」と考えることで、ものごとをあまり深刻に受け止めず、余裕の気持ちで見つめられるようになるのだ。
「おもしろがる」は、無理にポジティブになるのでもなく、冷静に見つめるのでもなく、相手やものごととじゃれ合うような、“軽快さ”“あたたかさ”がある。
明らかに危険なものを除いて、すべてをおもしろがるようにしたら、ほとんどのことは笑って済ませられるかもしれない。
他人の目や、まわりの情報を“気にしない”
他人の価値観のために無理をしない
人の目を気にしてしまうのは、「認められたい」から。
そして、それは自分の価値基準をまわりに委ねているということでもある。
「素敵な女性と思われたい」「いい母親と思われたい」など、さまざまな承認欲求は、エネルギーにもなるが、強すぎると自分を不自由にしてしまう。
「人からどう思われたいか」から「自分はどうしたいか」に視点をシフトしてみよう。
「私はこれが好き」「これをしたい」という自分の世界をもち、「人の評価」よりも「自分の満足」を優先するようになると、ラクに生きられるようになる。
「みんながやっていること」が正しいわけではない
「みんなはどうしているんですか?」そんな質問を、多くの人がしたことがあるだろう。
まわりに合わせることは、自分を守るために必要なこともある。
でも、みんながしていることが正しいわけではない。
閉鎖された社会では、「みんながやっていること」が正義になり、いじめがエスカレートするような極端な例もある。
自分を守るために同調していても、逆に自分を傷つける方向に進んでしまうこともある。
「みんなはそうかもしれないけど、自分はこう思う」と、みんなと自分の間にきっちりと境界線を引くことが大切だ。
SNSとの付き合いは目的とルールを決めて
SNSは、簡単に人とつながれて、情報を得ることもできる便利なツールだ。
しかし、実際よりも自分をよく見せようと躍起になったり、評価に一喜一憂したりして、振り回されてしまうこともある。
やはり、生きていくのに大きな影響を与えてくれるのは、実際に自分を見て評価してくれたり、助けてくれたりする人間関係。
SNSはそのきっかけを作ったり、コミュニケーションを補填するものである。
SNSとうまく付き合うには、「仲良しグループで交流する」、「学習のため」など、目的をはっきりさせること。
そして、「1日3回だけチェック」など、自分なりのルールを決めること。
その価値とリスクをわかって「自分はどんなふうに使うか」という軸を持つことが大切である。
From Summary ONLINE
他人の言葉や言動を気にしてしまう人は、どうしたって気にしてしまう。
それを頭ごなしに「気にするな」と言われると、自分を否定されているようにも感じる。
だが、著者は「気にすること自体がよくないことではない」という。
「気にしすぎる」ことで人生の大切な時間を無駄にしてしまうくらいなら、「気にしない心」を手に入れて幸せを感じながら生きていこう、ということである。
本書では、「気にしない習慣」のために、「ムカつく人の言動をおもしろがってみる」「まわりの目は振り回されるのではなく、“利用”する」「過去は変えられないが、過去の“解釈”は変えられる」など、目からうろこの考え方がたくさん紹介されている。
それらを少しでも取り入れられたら、人生が明るい方向に進みそうな気がしてくる。