MENU

【最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実】

ここに書影が表示されます
目次

インフォメーション

題名最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実
著者菅原 道仁
出版社秀和システム新社
出版日2026年5月
価格1,980円(税込)

「なぜ、頑張っても貯金ができないのか?」
「なぜ、投資でカモられるのか?」
「なぜ、すぐに散財してしまうのか?」

その答えは、あなたの意志が弱いからでも、努力やお金の勉強が足りないからでもありません。私たちの脳には、狩猟採集時代から受け継がれた「資産を溶かすためのプログラム」が最初から埋め込まれているからです。
脳神経外科医・菅原道仁先生が、最新の脳科学と行動経済学のメスで切り込むのは、私たちが信じてきた経済の常識を覆す残酷な現実です。本書『最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実』では、知らず知らずのうちに貧困リスクを高める「脳のバグ」を徹底解剖します。

【本書で明かされる衝撃の真実(一部抜粋)】
「貧乏は、能力不足ではなく、脳の『メモリ不足』が原因だった。」
「脳にとって、未来の自分は『赤の他人』でしかない。」
「意志の弱さのせいにするな。脳に『資産を溶かすプログラム』が埋まっている。」

本書は、我慢を強いる気休めの節約術や精神論を語る本ではありません。
脳という「欠陥だらけのシステム」の取扱説明書を理解し、無意識のうちに貧しくなる生存本能の呪縛を解くための、科学的な「資産防衛の処方箋」です。
一生、脳の奴隷としてお金に困り続けるか。それとも、脳の仕組みをハックして賢く富を築くか。読むだけで脳とお金の常識が180度書き換わる、衝撃の脳科学マネーハックの決定版!

引用:秀和システム新社

ポイント

  • 私たちの脳は、遠い将来の「大きな利益」よりも、今すぐ得られる「小さな快楽」を過大評価する。そのため、時間的に「今」に近いほど、目先の利益を優先してしまうのである。
  • 最新の脳科学研究では、脳にとって「将来の自分」は「見知らぬ他人」に近い存在として認識されているという。数十年後の年金や資産形成など「遠い未来」を具体的に想像するようにはできていないため、意志の力だけで浪費を抑えるのは難しいのである。
  • 人間の脳は、思いのほか騙されやすい。「お金持ちのように振る舞う」と、脳は「自分は能力のある人間だ」と錯覚し、思考や行動も変化していく。これを心理学では「プライミング効果(先行刺激効果)」と呼ぶ。

サマリー

浪費と脳の残酷な事実

脳には「今」しか見えない

夏休みの宿題を最後まで残してしまう子どもも、老後の資金を貯められない大人も、脳の構造的には全く同じである。

著者は、これを「現在バイアス(現在思考バイアス)」と説明する。

私たちの脳は、遠い将来に得られる「大きな利益(健康や資産)」よりも、今すぐ得られる「小さな快楽(ケーキや散財)」を過大評価するようにできている。

行動経済学には、有名な問いかけがある。

「今日りんごを1個もらうか、明日2個もらうか」と聞かれると、多くの人は「今日1個」を選ぶ。

ところが、「1年後に1個もらうか、1年と1日後に2個もらうか」と聞かれると、ほぼ全員が「1年と1日後に2個」を選ぶのだ。

このように、時間が「今」に近いほど、人は目先の利益を優先してしまう。

これは、脳内の報酬系(ドーパミン回路)が「今すぐ欲しい」と働く一方、理性を司る前頭前野が「将来のために」と抑えようとするためである。

しかし、前頭前野が衝動を抑えるには、膨大なエネルギーが必要だ。

著者は、私たちの脳は数十年後の年金や資産形成といった「遠い未来」を、具体的に想像するようには設計されていないと指摘する。

だからこそ、意志の力だけで浪費を抑えるのは難しいのである。

◆ 実践的アプローチ

⑴ 将来の楽しみを目に見える形にする

通帳の数字を見るだけでなく、「そのお金で行きたい旅行」などの写真を目につく場所に貼る。

未来の楽しみを具体的にイメージすることで、今の浪費を抑えやすくなる。

⑵ 理想の自分を具体的に思い描く

「老後はどんな暮らしをしたいか」「どんな自分でいたいか」を具体的にイメージする。

遠い未来を身近に感じられるほど、目先の欲求に流されにくくなるのだ。

節約と脳の残酷な事実

脳にとって未来の自分は「赤の他人」

「老後2000万円問題」などが話題になる中、頭では将来のために貯金すべきだとわかっていても、なぜ私たちは楽しい旅行や美味しい食事にお金を使い、貯金を先送りしてしまうのだろうか。

著者は、「その原因は意思の弱さではなく、脳が持つ根本的な認知の特性にある」と説明する。

最新の脳科学研究では、脳にとって「将来の自分」は、「見知らぬ他人」に近い存在として認識されているという。

つまり、脳は「未来の自分」を「今の自分」とは異なる存在として捉えているのだ。

たとえば、街中で「知らないお爺さんのために、今の楽しみを我慢してお金を残してください」と言われたら、「なぜ私が?」と抵抗を感じるだろう。

それと似たことが、脳の中でも起きている可能性がある。

将来の自分との心理的なつながりが弱いため、脳は「今の自分」の楽しみを犠牲にしてまで、貯金しようとは考えにくい。

これが、将来のための貯金を先送りしてしまう理由の一つなのである。

◆ 実践的アプローチ

⑴ 未来の自分を具体的にイメージする

アプリなどで老後の自分の顔を作り定期的に見る。未来の自分を身近に感じることで、今の浪費を抑えやすくなる。

⑵ 未来の自分のために貯金する

老後の自分の姿を思い浮かべながら、「この人を助けられるのは今の自分」と考える。

未来の自分を他人ではなく、自分自身として意識することで貯金する動機を高められるのだ。

脳の「クセ」は武器になる

「形から入る」は、富を引き寄せる近道だった

世間には、まだ実力が伴っていないのに、背伸びをして高級時計を身につけたり、高級ホテルに泊まったりして、成功者のように振る舞う人がいる。

しかし、最新の脳科学・心理学の視点から見ると、これは極めて合理的な行動なのである。

人間の脳は、思いのほか騙されやすい。

「お金持ちのように振る舞う」という刺激を与え続けると、脳は「自分は本当に地位が高く、能力のある人間なのだ」と錯覚する。

これを心理学では「プライミング効果(先行刺激効果)」と呼び、その人の思考や行動も、それにふさわしいものへと変化していくという。

著者は、「実力がついてから自信を持つのではなく、まず自信のある振る舞いをすることが重要だ」と説く。

そうすることで脳がその状態を受け入れ、やがて実力や結果がついてくるというのである。

◆ 実践的アプローチ

⑴ 姿勢と身だしなみを成功者に合わせる

背筋を伸ばし、身だしなみを整えることで、脳に「自分は価値のある人間だ」と認識させて、自信を育てる。

⑵ 豊かな言葉のプライミングを利用する

「お金がない」と考えるのではなく、「どうすれば良くなるか」と考える。

前向きで豊かな言葉を使うことで、成功につながる思考を育てる。

机の上を片付けるだけで、自然とお金が貯まっていく

「部屋の乱れは心の乱れ」と昔からいわれてきたが、これは脳のメカニズムから見ても理にかなっている。

人間の脳は、目に入るさまざまな視覚情報を無意識のうちに処理しようとする性質を持っているのだ。

散らかった机の上では、「あれもこれもやらなければ」と意識が分散し、少しずつ認知的な負担がかかる。

その結果、貴重なワーキングメモリーが消費されてしまうのである。

また、散らかった環境にいると、自己制御力が低下する傾向もあるという。

この状態でネットショッピングをすれば、自制心が働きにくくなり、必要のないものまで衝動買いしてしまう可能性が高まる。

つまり、「整理整頓」は単なる道徳的な習慣ではない。

無駄な買い物を防ぎ、大切なお金を守るための「脳の環境整備」でもあるのだ。

◆ 実践的アプローチ

⑴ 判断が必要なときは、視界を整える

重要な判断をするときは机の上を片付け、視覚的な情報を減らすことで、脳への負担を軽くする。

⑵ 1日5分の「机の上リセットタイム」をつくる

仕事終わりや寝る前に片付ける習慣をつくり、ワーキングメモリーの浪費を防ぐ。

翌日の作業にも集中しやすくなる。

From Summary ONLINE

本書は、脳科学や行動経済学の視点から、「なぜ人は散財し、貯金ができず、投資で失敗するのか」という謎を解き明かした一冊である。

「貯金ができない」「つい衝動買いしてしまう」のは、本人の努力不足や意志の弱さではない。

狩猟採集時代から受け継がれてきた脳の防衛本能が、現代のお金の使い方において「誤作動」を起こしていることが原因なのだ。

この一文だけで、罪悪感が薄らぎ、気持ちが楽になった。

著者が説く「脳に逆らわず、コントロールする仕組みをつくることが大切」という考え方は、

お金だけでなく、日常生活のさまざまな誘惑との向き合い方を見直すきっかけを与えてくれる。

自分の意志の弱さを責めるのではなく、脳のクセを理解し、仕組みでコントロールする。

その発想が、より豊かで無駄の少ない人生につながっていくのだと感じた。

目次