インフォメーション
| 題名 | 地方神速FIRE |
| 著者 | 吉原健一 |
| 出版社 | フローラル出版 |
| 出版日 | 2026年5月 |
| 価格 | 1,980円(税込) |
今、狙うべきは“地方”!
やりたい仕事をしながら神速に、確実に、FIREを達成できる本!
地方移住こそが
FIREへの一番の近道!
巷でよく耳にする「FIRE」
“不労所得を得て生活をする”というのは聞こえはいいものの、なかなかにハードルが高い…
少子化や人手不足によって地方移住が再注目されている今、誰でもすぐに早期FIREのために実践できるノウハウを本書に詰め込みました!
引用:フローラル出版
ポイント
- 貯金を切り詰めるFIREではない。暮らす場所を変えるだけで、FIREへの距離は一気に縮まる。
- 地方に住むことで、天職も不労所得も育てやすくなる。
サマリー
「地方神速FIRE」という発想
FIREとは、経済的自立と早期リタイアという意味である。
多くの人が最初に思い描くのは、貯金と投資でひたすら資産を積み上げる道だ。
だが著者の試算では、25歳でFIREを目指し、40歳までに1億円を貯めようとすると、生活費とは別に毎月40万円ほどを運用に回す必要があるという。
高いハードルだが、無理とも言い切れない水準だと著者は見る。
問題は、この計算に大きな前提が抜けていることだ。
それは、どこで暮らすかである。
同じ年収、同じ貯金額でも、住む場所によって手元に残るお金も、かかる時間も大きく変わる。
ただ節約して貯めるだけのFIREは、達成までに何年も、時には何十年もかかってしまう。
だからこそ著者は、貯める速度そのものを上げる3つのルールを提案する。
天職を持つこと、不労所得を増やすこと、そして地方に住むことだ。
なかでも地方に住むことは、残り2つのルールを実現しやすくする土台になる、と著者は位置づける。
生活コストが下がれば、無理して稼がなくても暮らしが成り立ち、貯蓄や投資に回せるお金も自然と増える。
この「地方に住む」という一点から、FIREへの近道を語っていく。
地方暮らしはFIREに近づく
地方暮らしの優位性を、著者は7つの理由で説明する。
なかでも著者が最も強調するのが、生活コストの低さと不動産投資の利回りの高さだ。
家賃や食費が安いのはもちろん、著者が暮らす北見市では、スーパーも病院も車で10分以内。
通勤や移動に費やす時間そのものが激減する。
浮いた時間とお金は、そのまま貯蓄や投資に回せる。
不動産投資でも地方は有利だ。
都心の実質利回りが4〜5%程度にとどまるのに対し、地方の収益物件では利回り7〜10%以上、時には30%に達する物件もあるという。
物件の取得費が安いぶん、少ない自己資金でも始めやすい。
加えて、専門職では後継者不足の業界も多く、若い世代が参入しやすい「穴場」も残っている。
地方公務員や医療・教育関連職も、都市部より好待遇なケースがあると著者は言う。
一方で、地方での転職は都市部より平均給与が下がりやすい点には注意が必要だ、と著者はくぎを刺す。
それでも、生活コストの低下と不動産投資の伸びしろを合わせれば、収入減を補って余りあるというのが著者の結論だ。
数字より先に、自分を整える
著者は、収入アップや資産運用の技術より先に、FIREを達成できる自分に整えることを重視する。
心を整えること、運を味方につけること、行動力を高めることの3つだ。
心の整え方としては、3〜5分の瞑想や、不安を紙に書き出して行動計画に変える方法が紹介される。
運については、四柱推命や風水など、著者自身の経験に基づく見解として触れられている。
行動力については、書籍『7つの習慣』の考え方を借り、緊急ではないが重要な「第2領域」に時間を使うことを勧める。
完璧を目指さず動きながら考えることがFIRE体質への近道だと、過去に事業で手痛い失敗も経験してきた著者は断言する。
お金を「見える化」する仕組みをつくる
FIRE達成の土台として、著者はまず資産表の作成を勧める。
毎月の収入と資産、負債を書き出し、差し引いた純資産の増減を追う、家計版の貸借対照表だ。
作成が面倒ならFPに外注する手もあるが、依頼するなら独立系で有料、1級FP技能士の資格を持つ人を選ぶとよいと著者は助言する。
この資産表は、支出管理にも住まい選びにも役立つ、著者の提案の核となるツールだ。
支出管理では、お金の使い道を投資、消費、浪費の3つに分ける。
理想の比率として消費6、浪費2、投資2という目安が示されるが、最適な配分は収入や暮らし方によって変わると著者は注釈する。
固定費の見直しでは、保険が特に大きい。
保険料が月1万円下がれば、30歳から65歳までの35年間で420万円もの差になる計算だ。
著者は、家計簿を毎日つけることはむしろ逆効果になりかねないと指摘する。
支出を記録する回数が収入を記録する回数よりずっと多く、お金が減っていく感覚ばかりが強調されてしまうためだ。
代わりに、月に1度、資産表で純資産の増減を確認する方法を勧めている。
住まいについては、賃貸で試してから購入する「二段階作戦」を推奨する。
頭金を貯めてから買おうとすると、その間の家賃や物価上昇、金利上昇の影響で、3年間で700万円以上の負担増になり得るという試算も示される。
条件が整えば、資産表で数字を確認しながら、待ちすぎずに買うことも選択肢に入れるべきだと著者は言う。
天職を、収入の柱に育てる
収入面では、投資家ロバート・キヨサキの「4つの収入の柱」、会社員、自営業、ビジネスオーナー、投資家という分類が紹介される。
著者が推奨するのは、どれか一つに偏ることではなく、自分に合った形を組み合わせることだ。
好きなことを仕事にする手順として、著者はSWOT分析や4C分析、4P分析といったフレームワークを使った自己分析を勧める。
いきなり完璧を目指さず、無料体験や500円の試作品など、小さく始めて反応を見ることが成功の近道だ。
地方では、後継者不在の事業を引き継ぐM&Aも現実的な選択肢になると著者は述べる。
都市部より競合が少なく、良い条件で事業を譲り受けられる可能性があるためだ。
働かなくても入るお金をつくる
著者が最後に据える柱が、不労所得である。
天職も、地方に住むことも、結局は不労所得を育てるための土台にすぎない、というのが著者の位置づけだ。
働けなくなれば止まる給与や事業収入と違い、株や不動産などの資産収入は、自分が動かなくても入り続ける。
著者は、時間の分散としてドルコスト平均法による積立を、商品の分散として株式・投資信託・REIT・債券・不動産など複数の資産への分散を勧める。
iDeCoや新NISAといった税制優遇制度の活用も欠かせない。
なかでも地方の利点が最も活きるのは不動産投資であると述べている。
ただし著者自身、不動産投資は空室対応や管理など一定の手間がかかる面もあると認めており、管理会社に運営を委託することで、労力を抑えながら収入を得る形を勧めている。
不労所得は魔法の仕組みではなくコツコツと積み上げ育てていくのだと著者は繰り返す。
天職、不労所得、そして地方に住むこと。
この3つの仕組みを、焦らず積み上げていくこと自体が、経済的自由への近道なのだ。
From Summary ONLINE
本書は、数あるFIRE本の中で、地方という利点を最大限に活かすことを勧めている点が特徴的だ。
コストを抑え、まずはできることから小さく始めてみる。
完全なFIREを目指さない人にとっても、「地方でのゆとりある暮らし」を現実的な選択肢として捉え直すきっかけになる一冊である。