インフォメーション
| 題名 | 孫社長のプロジェクトを最短で達成した仕事が速いチームのすごい仕組み |
| 著者 | 三木 雄信 |
| 出版社 | PHP研究所 |
| 出版日 | 2023年5月 |
| 価格 | 1,100円(税込) |
ミスによる手戻り、上層部からの横やり、経営陣のちゃぶ台返し――。
プロジェクトの現場は、いつもモメ事だらけ!
それでも、なんとか目標を達成しようとリーダーが鼓舞し、メンバーは定期的にデスマーチを繰り返す…。あまつさえ、脱落したメンバーの仕事をリーダー自ら巻き取る始末。
私たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? 本書では、孤軍奮闘するリーダーが頑張らなくても、チーム仕事が高速で回り出す仕組みを解説する。
●「仕事のやりやすさの9割」が決まる「立ち上げ」
●プロジェクトを最短ゴールへと導く「タスク出し」「スケジューリング」(プランニング)
●スムーズに進行するための「進捗管理」「会議のお作法」
●想定外のトラブルを切り抜ける「いざ」という時のノウハウ
これまでの負担が、ウソみたいに軽くなる! 自分の時間を作りたいリーダー必読の1冊。
引用:PHP研究所
ポイント
- 今後、ホワイトカラーのルーティンワークは徐々に減少し、「プロジェクト的な仕事」が中心になるからこそ、あらゆるビジネスパーソンにプロマネのスキルが必要になるという。
- 著者は、プロジェクト・マネジメントの流れを「立ち上げ」「プランニング」「実行」「終了」の4段階に分け、「立ち上げの段階でプロジェクトの勝負はほぼ決まる」と断言する。
- 著者は、プランニングで重要なのは、できるだけ早い段階ですべてのタスクを漏れなく洗い出すことだと指摘する。
サマリー
「プロマネ仕事術」は必須スキル
「プロマネ」とは、プロジェクト・マネジメント、またはプロジェクト・マネージャーを略した言葉だ。
本書では「プロジェクト的な仕事」を、期限があり、他部門や外部の人など複数の関係者との連携が必要で、具体的な手段や手順が明確になっていない仕事と定義している。
著者は、ビジネス環境の「AI化」「グローバル化」「カスタマイズ化」「高速化」を背景に、こうした仕事が増えていると指摘する。
今後、ホワイトカラーのルーティンワークは徐々に減少し、「プロジェクト的な仕事」が中心になるからこそ、あらゆるビジネスパーソンにプロマネのスキルが必要になるという。
プロジェクトを進めるうえで重要なのが、部署や立場を超えた「横のコミュニケーション」の調整だ。
しかし、利害や立場の異なる人たちをまとめるのは難易度が高く、こうしたスキルを持つ人材はまだ少ない。
そのため日本の職場では、明確な役割分担やプロマネの役割が曖昧なまま仕事が進み、期限直前に深夜残業や徹夜を重ねる「デスマーチ」状態に陥ることがある。
さらに、その経験や反省が組織に蓄積されず、同じ失敗を繰り返してしまう。
では、どうすれば複数の人が関わる仕事を効率よく進め、最短最速でゴールにたどり着けるのか。
本書では、そのために必要な「プロマネ仕事術」が具体的に紹介されている。
チームの仕事のスピードを決める「立ち上げ」
著者は、プロジェクト・マネジメントの流れを「立ち上げ」「プランニング」「実行」「終了」の4段階に分け、「立ち上げの段階でプロジェクトの勝負はほぼ決まる」と断言する。
立ち上げでは、プロマネを決め、プロジェクト・オーナーから話を聞き、関係するステークホルダーを漏れなく把握するなど、その後の成否を左右する重要な行動が求められる。
特に重視されているのが、「いかに手戻りを防ぐか」という視点だ。
そこで作成するのが、「チャーター(charter)」と呼ばれる、いわばプロジェクトの「権限移譲証明書」である。
チャーターには、プロジェクトの目的・ミッション、目標と成功基準、スケジュールや予算など、オーナーの了承を得ておくべき7つの項目を盛り込む。
通常業務とは異なり、プロジェクトでは誰にどこまで権限があるのかが曖昧になりやすい。
だからこそ、最終決定権を持つオーナーにチャーターを示して了承を得たうえで、ステークホルダー全員が参加するキックオフへと進むことが重要になる。
プロジェクトが始まってから認識のずれや手戻りを生じさせないためにも、最初の段階でどれだけ布石を打てるかが、プロジェクトの勝敗を左右するのである。
目標達成への最速ルートを「プランニング」する
立ち上げ段階でプロジェクトのゴールが明確になったら、次は、そのゴールに最短最速で到達するためのルートを「プランニング」する。
プロジェクト・マネジメントの世界では、ゴールまでに必要なタスクを洗い出し、細分化することを「WBS(Work Breakdown Structure)」という。
著者は、プランニングで重要なのは、できるだけ早い段階ですべてのタスクを漏れなく洗い出すことだと指摘する。
そのため著者は、キックオフミーティングでメンバー全員に付箋を渡し、ゴールまでに必要なタスクや、現在抱えている課題、今後起こりそうな課題とその対処法などをすべて書き出してもらうという。
それらをホワイトボードに貼り、内容ごとに分類・構造化したうえで、全員で確認していく。
著者は、この作業ができれば、その時点でプロジェクトは8割方成功したと考えている。
洗い出したタスクをもとに担当者を決め、必要な時間を見積もり、ゴールまでの最短ルートを全員で共有できるからだ。
このプランニングこそが、プロジェクトを進めるスピードを大きく左右するのである。
「プロマネ仕事術」を組織の力に変える
プランニングを終えて実行段階に入ったら、プロマネの最大の仕事は、週に1回、決められた曜日・時間にプロジェクト関係者全員が集まる「定例会」を行うことだと著者は断言する。
定例会では、タスクの進捗を確認し、止まっているものや遅れているものがあれば、いち早く改善策を講じる。
定期的に全員で状況を共有することで、プロジェクトを取り巻く変化にも素早く対応できるようになる。
また、著者が経営する会社では、「残業最小化」のため、毎朝の「朝会」でメンバーがその日のスケジュールを発表している。
残業になりそうな人がいれば、その仕事を手の空いている人に割り振るなど、チーム全体で仕事量を調整することが日常的に行われているという。
本書ではほかにも、会議を即行動につなげる方法など、チームの仕事を速くするための具体的な方策が紹介されている。
仕事が速いチームは、個々のメンバーの能力や頑張りだけに頼っているわけではない。
進捗や課題を共有し、問題があればすぐに対応する「仕組み」がある。
プロマネ仕事術を組織の共通スキルとして活用することが、チーム全体の仕事のスピードを高めていくのである。
From Summary ONLINE
仕事のスピードを上げるには、個人の能力や頑張りだけでなく、チームが効率よく動ける「仕組み」が欠かせない。本書は、プロジェクト・マネジメントの考え方を、著者の経験に基づく具体的な事例とともにわかりやすく解説している。
プロジェクトの立ち上げからプランニング、実行まで、それぞれの段階で何をすべきかが明確に示されており、付箋を使ったタスクの洗い出しや定例会、朝会など、すぐに取り入れられる方法も多い。
本書を読むと、すべてのビジネスパーソンにとって、「プロマネ仕事術」が必須スキルであると納得できる。チームでより速く、確実に成果を出すための具体的な方法が得られる一冊だ。