インフォメーション
| 題名 | 【新書版】孫社長にたたきこまれた「数値化」仕事術 |
| 著者 | 三木雄信 |
| 出版社 | PHP研究所 |
| 出版日 | 2022年1月 |
| 価格 | 1,089円(税込) |
「考える前に数えろ! 議論する前に数えろ! 」
ソフトバンク元社長室長の著者が、孫正義社長のもとで身につけたのは「問題を数値化して高速で解決する技術」。
現実に起こっている事象を数値で把握し、それを分析して問題のありかと根本的な原因を探り、解決策を考えて実行したら、その結果をまた数値で把握・分析する。このサイクルをスピーディに回しながら、超高速で問題を解決していくのが、孫社長流の「数値化仕事術」。
統計知識ゼロでも、Excelが苦手でも、新人&若手でもすぐ使えて、どんな仕事でも生産性が爆発的にアップする。しかも「数字は苦手で……」という人ほど効果大!
6万部突破ベストセラー、増補改訂でさらにパワーアップ。新書化にあたってツールを一新するとともに、成果につながらないムダな数値化を繰り返す“数値化メタボ”を防ぐための「新書版特別章」を追加。
数字に使われるな、数字を使いこなせ!
※本書は、2017年8月にPHP研究所より刊行された『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』を改題し、一部加筆・修正のうえ、新書化したものです。
引用:PHP研究所
ポイント
- 本書は、著者が孫社長のもとで磨いてきた、超高速で問題を解決していく「数値化仕事術」を明かした一冊だ。
- 現場の人間が自ら積極的に数字を集め、問題を解決するという強い意思をもって数値化することが「攻めの数値化」だ。
- ソフトバンクの経営の基本となる数字は、「顧客数」「顧客単価」「残存期間(顧客でいてくれる期間)」「顧客獲得コスト」「顧客維持コスト」の5つだ。
サマリー
「数値化」は最強の問題解決ツール
著者は、ソフトバンクの孫正義社長のもとで、数々の難題を解決してきた経験をもつ。
どのような依頼を受けても、著者が必ず行っていたことは、「問題を数値化してみる」ことだという。
本書は、著者が孫社長のもとで磨いてきた、超高速で問題を解決していく「数値化仕事術」を明かした一冊だ。
一方、著者は、日本企業には「間違った数値化」が蔓延していると指摘する。
その結果、成果につながらない無駄な数値化を繰り返す「数値化メタボ」に陥っているというのだ。
それでは、正しい数値化とはどのようなものなのか。
孫社長は、誰よりも数値化することのメリットを理解していた。
その1つが、「目標達成までに何をすべきか」という具体的なアクションが見えてくることだ。
曖昧だった問題を数字に置き換えることで、取るべき行動が明確になり、人は動き出すことができる。
さらに、「どの問題から着手すればよいか」という優先順位も明確になる。
数値化しなければ、どの問題を解決すれば大きな効果が得られるのかを、客観的に判断することは難しいからだ。
数字は、立場やポジションに左右されない客観的な事実でもある。
孫社長の判断は極めてシンプルで、「これなら結果が出る」と数字で客観的に示せる提案を重視し、示せないものは却下している。
日本企業では、「上の人がそう言っているから」「上司が動いてくれないから」と諦めてしまうことも少なくない。
しかし、数字という客観的な事実をもとに、「この問題を解決すれば、会社の経営にこれだけのメリットがある」と示すことができれば、上の立場の人を納得させ、行動を促すことができる。
その意味では、一般社員や現場に近いマネジメントリーダーこそ、数値化のテクニックを正しく使いこなすことが重要だと著者は述べる。
「受け身の数値化」から「攻めの数値化」へ
本書では、「数値化仕事術」をすぐに実践できるよう、具体的なポイントが示されている。
その大前提となる考え方が、「数字は『自分で取りに行くもの』」ということだ。
多くのビジネスパーソンは、すでに仕事の中で数値化を行っていると認識しているかもしれない。
しかし、それは上からの指示で集められたデータを扱ったり、すでにある数字を分析したりすることにとどまっている場合が多い。
著者は、これを「受け身の数値化」と呼ぶ。
一方、現場の人間が自ら積極的に数字を集め、問題を解決するという強い意思をもって数値化することが「攻めの数値化」だ。
つまり、自分にとって本当に役立つ数字を、自分の手でつくり上げていくことが必要だというのだ。
そして、数値化する最大の目的は「次のアクション」につなげることだ。
著者は、単に過去を振り返るだけの数値化には意味がないと強調する。
では、どのように数字を集め、問題解決につなげればよいのか。
そのために紹介されているのが、問題解決に役立つ「7つ道具」である。
この「7つ道具」の魅力的なところは、専門的な統計知識も高度なExcelスキルも不要で、すぐに実践できることだ。
そのうちの1つに「プロセス分析」がある。
営業で例えれば、「始点」は初めてお客様と接するところ、「終点」は契約を結ぶことになる。
始点と終点を定めたら、仕事の一連の流れをプロセスごとに分け、それぞれを数値化すると、どのプロセスに改善が必要なのかがはっきりと見えてくる。
そして、解決策の仮説を立てて実行し、また数字で検証するというサイクルを高速で回していくのが「プロセス分析」だ。
漠然と「成果が上がらない」と考えるのではなく、プロセスごとに数字を確認すれば、優先して改善すべきポイントが見えてくるので、高速で成果を出すための効果が非常に高いという。
この「プロセス分析」を含め、著者が仕事で活用している7つのデータ分析の方法が多くの事例と共に解説されている。
重要なのは、数字を集めること自体を目的にしないことだ。
問題を数値化し、原因を見つけ、次に何を変えるべきかを決める。
そこまでつながって初めて、数値化は問題解決のための武器になるのである。
究極の数値化仕事術
本書では、「数値化仕事術」の達人ともいえる孫社長の経営戦略をケーススタディとして、数値化が実際の経営にどのように活用されているのかが紹介される。
ソフトバンクの経営の基本となる数字は、「顧客数」「顧客単価」「残存期間(顧客でいてくれる期間)」「顧客獲得コスト」「顧客維持コスト」の5つだ。
著者は、以下の数式こそ、ビジネスにおいて最も重要な数式だと断言する。
「(顧客数×顧客単価×残存期間)-(顧客獲得コスト+顧客維持コスト)」
つまり、「顧客数」「顧客単価」「残存期間」を最大化し、「顧客獲得コスト」「顧客維持コスト」を最小化する。
5つの数字を上げたり下げたりしながら、利益を最大化していくという考え方だ。
著者は、こうしたソフトバンクの経営手法を「3次元経営モデル」と名付けている。
そのフェーズは、顧客数を増やす、顧客単価を上げる、顧客獲得コストと顧客維持コストを下げる、そして残存期間を伸ばすという段階に分けられる。
本書では、それぞれの数字に問題を抱えている企業にも応用できる、具体的な数値化の事例が紹介されている。
ソフトバンクはグループ全体で時価総額10兆円規模に達し、孫社長は「2040年までに200兆円企業になる」という壮大な目標を掲げている。
その成長を支えるものの一つが、徹底した「数値化仕事術」なのである。
さらに新書版の特別章として、「数字を使える組織づくり」の3つのポイントも収録されている。
数字に使われるのではなく、自ら数字を使いこなし、問題を発見し、次の行動へつなげていく。
本書には、数値化を単なる過去の分析で終わらせず、未来への成果へと結びつけるための具体的な方法が示されている。
From Summary ONLINE
仕事で数字を扱っていても、それを問題解決に生かすとなると難しい。本書は、ソフトバンクで数々の難題に取り組んできた著者が、孫正義氏のもとで磨いた「数値化仕事術」を紹介した一冊である。
特に参考になるのが、すでにある数字を分析するだけでなく、必要な数字を自ら取りに行く「攻めの数値化」という考え方だ。具体的な分析手法から数字の正しい読み解き方、さらには経営への活用まで、実践的な内容が豊富に紹介されている。
数字が苦手な人にもわかりやすく、明日からの仕事に取り入れやすいのも魅力だ。数字を武器に、仕事の成果を高めたいビジネスパーソンにおすすめの一冊である。