インフォメーション
| 題名 | テンプレート仕事術 ―日常業務の75%を自動化する |
| 著者 | 信太 明 |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| 出版日 | 2010年4月 |
| 価格 | 1,650円(税込) |
ルーチンワークをテンプレートに任せて
ストレスフリーで働こう!
仕事を「定型化」「非属人化」によってテンプレート化すれば、どのような仕事も、短時間で正確に成し遂げることができる。
その結果、仕事はうまくいき、プライベートも充実する。若き上場企業社長が、自らと社員が実践している仕事の効率化のための実践的ノウハウを公開する。
引用:東洋経済新報社
ポイント
- テンプレートは、一定のパターンを作っておけば、それを繰り返し活用することで、いつでも、誰でも、短時間でミスやうっかりを防ぎ、効率よく仕事を成し遂げることができる。
- 仕事をテンプレート化することで、「テンプレート化できない自分だけの仕事」に時間を使えるようになる。
- 著者は、人生の岐路に立たされたり、大切なことを見失いそうになったりしたときは、「社是に立ち返るテンプレート」で自分の軸を再確認するという。
サマリー
仕事の75%はテンプレート化できる
テンプレートとは「鋳型」を意味している。
鋳型に銅や鉄を流し込めば、同じ形のものを何度でも、誰でも作ることができる。
多くの仕事も、毎回ゼロから考える必要はない。
著者は、「一定のパターンを作っておけば、それを使い回すことで、いつでも、誰でも、短時間でミスやうっかりを防ぎ、効率よく仕事を成し遂げることができる」と述べている。
テンプレート化のメリット①:効率性
仕事の大半は、テンプレート化によって効率化できる。
著者の経験では、「仕事の75%は以前にもやったことのある仕事」だという。
例えばメールのやり取りなら、「初訪問後の挨拶メール」「資料送付用メール」などを数パターン作っておけば、使い回しができる。
毎回ゼロから文面を書いて送信する必要はないのである。
テンプレート化によって時短を進める人とそうでない人では、仕事の効率に大きな差が生まれる。
テンプレート化のメリット②:生産性
仕事に追われている人の多くは、「75%の付加価値を生まないルーチンワーク」のために忙しく、時間を失っている。
そこでテンプレートを用意しておけば、ルーチンワークにかける時間を大幅に削減できるのだ。
「75%のルーチンワークに25%の時間しかかけず、25%の高付加価値業務に75%の時間を投下する」ことができるのである。
仕事をテンプレート化することで、「テンプレート化できない自分だけの仕事」に時間を使えるようになる。
これこそが、テンプレート仕事術なのである。
テンプレート化のメリット③:正確性
仕事をテンプレート化しておけば、漏れなく正確に遂行できる。
人間は「忘れる生き物」である。
物事は、必ず忘れることを前提に進めなければならない。
著者は、忘れても困らない環境を整えておくことが重要だと考えている。
仕事をテンプレート化することで、「脳のキャパシティー」と「時間」という、ビジネスで高い成果を出すために最も大切なリソースを、大幅に確保できるのである。
テンプレート化のメリット④:非属人化
付加価値の高い仕事とは、「あの人だからできる仕事」のように思われがちである。
しかし著者は、「その作業を分析・整理してテンプレートに落とし込み、それを他の人に渡すことができれば、かなりの範囲で誰にでもできる非属人型の作業にできる」と述べている。
非属人化すれば、多くの仕事を社員に任せられるようになるだろう。
こうして時間に余裕が生まれた優秀な社員は、さらに付加価値の高い仕事に取り組めるようになるのである。
テンプレート活用例
メールの送信ボタンは爆弾スイッチ
電話なら不用意な発言をしてしまっても、その場で取り繕うことができるが、メールではそうはいかない。
一度送信ボタンを押してしまったら、なかったことにはできないのである。
それどころか、ミスがあっても気づかないまま送信してしまうケースも多いという。
ビジネスでメールのコミュニケーションミスをしてしまうと、取り返しのつかない事態になりかねないのだ。
そこでアウンコンサルティング(弊社)では、「メールチェックシート」を社員にテンプレートとして配布している。
重要なメールを送信する際には、このチェックシートを確認するよう徹底しているのである。
そして、テンプレートの最後には、「全社宛、お客様への送信ボタンは、爆弾のスイッチだと思え!」と書かれている。
この脅し文句は、決して大げさではないと著者は述べている。
メールをいつでもすぐ出せることはビジネスの武器になる
著者は、「ぜひ会いたい」と思った人にはすぐにメールを送る。
しかし、すぐには会えそうにない場合は、自らが主催するイベントへ招待するという。
その際に送る「お願いメール」もテンプレート化し、スマートフォンに保存して、いつでも送信できる状態にしておくことが大切だという。
その一例が、ロケーションバリューという会社の砂川大社長をイベントへ招待したときのエピソードである。
ある日曜日の朝、TBSの「がっちりマンデー!!」に砂川社長が出演するという記事を見つけた。
著者はすぐにホームページを検索し、番組が終わるまでに「お願いメール」を送信したのだ。
重要なのは、このスピード感である。
翌日の月曜日になれば、砂川社長のもとには同じようなメールが殺到するだろう。
そうなれば、お会いできる可能性はゼロに近い。
だからこそ、「がっちりマンデー!!を今見たばかりです」というタイミングで送るメールに価値があるのである。
もちろん、快く承諾していただけた。
ビジネスの基礎スキル向上テンプレート
ビジネスの意思決定に迷ったら、社是に立ち返る
人は、人生の岐路に立たされたとき、思い悩み、大切なことを見失いそうになる。
そんなとき著者は、自分の心を深く掘り下げ、自分の軸となるものを再確認するという。
例えば、経営において意思決定に迷いが生じたとき、著者はいつもこのテンプレートに立ち返るのである。
「汗」・・・自他のために率先して汗をかいているか
「協」・・・仲間との協力関係を大切にしているか
「成」・・・毎日の着実な成長を実感できているか
「誇」・・・家族・友人・社会は私を誇りに思うか
「楽」・・・わくわくした人生を楽しんでいるか
この価値観は、毎朝、社員全員で唱和しているという。
迷ったときや、一人で誰にも頼れないときも、この価値観が進むべき道を指し示してくれるのである。
From Summary ONLINE
本書は、業務の効率化や、「いつも仕事に追われている」という状況から抜け出すためのヒントが詰まっている。
テンプレートというと、単なる文書のひな形を想像しがちだが、本書では「仕事の進め方そのものを仕組み化する」という発想が印象的であった。
また著者は、「落ち込んだ気持ちを盛り上げるテンプレート」や「意思決定を支援するテンプレート」などを活用し、さらに、体調までテンプレートで管理しているという。
ビジネスだけでなく、家事など日常生活もテンプレート化すれば、毎日の効率がさらに高まるのではないかと感じた。
仕事が忙しい人ほど、毎回ゼロから考えることに多くの時間を費やしているという。
本書は、そうした無駄を減らし、仕事を効率よく進めるための実践的な考え方を教えてくれる一冊である。