インフォメーション
| 題名 | リーダーになる人に知っておいてほしいこと |
| 著者 | 松下幸之助述 |
| 出版社 | PHP研究所 |
| 出版日 | 2009年03月 |
| 価格 | 1,540円(税込) |
パナソニックグループを創りあげた松下幸之助がその私財70億円を投じてはじめられた松下政経塾。この塾はその後政財界に多くのリーダーを輩出してきた。それから30年が経ち、いまの日本は「百年に一度」の危機に瀕している。
それは実体経済面だけの話ではない。企業人、政治家・官僚が精神の危機に陥っているという点では、まさしく未曾有の危機なのかもしれない。2008年後半からの景気悪化にともない、給与・賞与削減、人員削減といったリストラ策を決断せざるを得ない状況のなかで「リーダー不在」が叫ばれる日本。リーダーたるものまたリーダーを目指す人は日々なにを心がけておくべきか。
本書では、松下が当時の塾生たちにその思いを切々と伝えつづけた未公開テープ約百時間を中心にしつつ、政経塾の人間教育をベースにして構成されたものである。物事の本質を見極め衆知を集めつつ道を切りひらいていく人材となるために大切なことが凝縮された一冊。
引用:PHP研究所
ポイント
- 素直な心を養っていくと、正しくものを見られる。
- 成功した理由は、誰の言うことも一応素直に聞くこと。
- 「鳴かずんば それもなおよしホトトギス」
サマリー
はじめに
今、日本はまさに「百年に一度の危機に」瀕している。
こうした危機の時代になると、決まり文句のようにいわれるのが「リーダーの不在」である。
リーダーたるもの、またリーダーを目指す人たちは、みずからの軸足を固め、眼前の目標に全精力を傾けていく覚悟が必要とされる時代がやってきた。
本書の内容が、多くの方々に幾ばくかお役に立つことができれば幸いである。
素直な心で衆知を集める
物事の本質を見る眼
素直になれば、ものの実相がわかる。
色眼鏡で見ない、とらわれた心で見ないから、みなよくわかる。
赤い色は赤く見え、黒いものは黒く見える。
つまり本質がわかるのである。
そういう心を養っていくと、正しくものを見られる。
したがって賢くなり、聡明になってくる。
さらに、素直にものを見ると過ちが少ない。
いわゆる融通無碍な人間になれるのである。
正しさを貫く
われわれは「素直な心になろう」と標榜しているが、その素直な心を誰よりも強く持っていたのは、まぎれもない太閤秀吉だと松下は語る。
権謀術策を弄するような人だったと伝わっているが、一番素直な人なのだそうだ。
一つの例として、秀吉が中国地方で毛利軍と対峙していたとき、京都で信長が殺された。
その時、一番早く駆けつけて光秀を倒したのは秀吉であった。
京都や近畿の周囲には、他にも家臣がいたし、次男・三男もいた。みな形勢を観望していたのだ。
誰もすぐに駆けつけて敵を討とうとしなかった。
そんな秀吉だからこそ運命が転がり込んできたのではないだろうか。
勝つか負けるかというよりも、不倶戴天の敵を倒すということを忠実に行ったのである。
当時の道徳に一番忠実に従い行動したのは秀吉だったのだ。
戦略とか戦術とか、そういうもの以上に、勝手もよし負けてもよし、やるべきことはやる。
そういうことができないと大事なことは決行することはできない。
よいことは素直に取り入れる
自身が成功した理由は何かと聞かれたら、誰の言うことも一応素直に聞くことだと松下は伝えている。
そして「なるほど」というものは、それを実行する。
なので、意見を言ってくれる人にとっては言いがいが生まれてくる。
「松下さんは、僕の言ったことを聞いてくれた。あの人を応援してあげよう」となるのである。
様々な問題に直面した際に、人に意見を聞くこともある。
その際に自分というものを頑固に持っていたら意見が入ってこなくなる。
その時だけは、素直な心で聞く。
そうすれば、それぞれの知恵才覚というものを授かることができる。
何も難しいことはないという。
せっかく良いことを言われても取り入れなければ、失敗してしまうのである。
日に新たな生成発展の道を求める
その日その日を生きる
人はわからないものである。
予定通りにやろうとしても、そんな予定通りにいくものでもない。
その日その日を充実してやっていたら、ちゃんとやっていけるようになったと松下は語る。
世間は自分の事を計画性を持って偉いというが、気が付いたらそのようになっていたという。
人生、自分の思い通りにいくものでもない。
大きな運命というか、大きな流れというか、そういうものに流されているという。
流れに逆らおうとして、これはダメだ、自分には合わないと言っていたら、事が難しくなってくる。
流れに素直に乗っていかないといけないという。
迷うだけ迷う
迷うだけ迷えばよい。
迷っている間は光明が見えるまで、動かず迷い続ければよい。
いつかは光明が見えて道が見えてくる。
そこから行動したって遅いことはない。
迷えば迷うほどに偉大なものが生まれる。
しかし、自分の感情にとらわれて迷うようなことはしてはいけない。
素直な心がなかったら、迷わなくてもよいことに迷ってしまう。
自然に従う
戦国時代という日本の歴史の一時代に、信長、秀吉、家康という英雄がいた。
彼ら三人のまったく異なった性格を言い表した言葉として、「鳴かずんば殺してしまえホトトギス」「鳴かずんば鳴かせてみせようホトトギス」「鳴かずんば鳴くまで待とうホトトギス」という言葉が残っている。
ある時、「鳴かずんば 」と前の句を提示されたらどんな言葉を付けるかと問われたときに、松下は「鳴かずんば それもなおよしホトトギス」とそのように語ったという。
戦国時代の三人の英雄のうち、心引かれるのは本人を中心として考えた場合は家康だという。
だが、革命的な大事を決行するというような点からすると信長であり、秀吉はその中間だという。
全てのものが生かされている
すべてのものは分に応じて生かされる、生かすことができると、そういう考え方をもたないといけないと、松下はいう。
廃物利用という言葉があるが、まったくの廃物というものはない。
利用する道を知らないから廃物というのである。
もっと人知が進んだら、今は触ることのないものでも触れるようになってくるであろうと語っている。
From Summary ONLINE
本書は、リーダーを目指す人に向けて、松下幸之助が語ったとされる百時間の未公開テープより編集された一冊である。
本要約では、「素直な心で衆知を集める」「日に新たな生成発展の道を求める」より一部要約して紹介した。
本書では、物事の本質を見極め衆知を集めつつ道を切り開いていく人材となるために大切なことが松下の言葉で丁寧に語られている。
リーダーを目指す方、ビジネスマンなどにおすすめできる一冊である。