インフォメーション
| 題名 | 睡眠の常識はウソだらけ |
| 著者 | 堀 大輔 |
| 出版社 | フォレスト出版 |
| 出版日 | 2019年1月 |
| 価格 | 990円(税込) |
本書はあなたの人生のほとんどを否定するかもしれません
本書では、報道や睡眠関連書籍によって流布される「日本人は睡眠不足」「睡眠負債」「ショートスリーパーは短命」「睡眠は身体にいいもの」といった情報を「俗流睡眠論」と喝破し、快適な睡眠ライフを手に入れる方法を伝えていきます。
つまり、あなたが今までの人生で、真実と信じてきたものを「あ、それウソだよ」と言って否定する本です。たとえば……
◎睡眠情報のエビデンスとなるデータや実験の多くは恣意的に用いられたり、的外れである。
◎睡眠の必要性を過剰にアピールし、睡眠不足の危険性をことさらに煽る情報は、多くの健康な人を不安に陥れ、結果的に不健康にしている。
◎現代の日本人は眠りすぎ。寝ることによる経済的損失はダイレクトに身に降りかかる。
◎睡眠そのものに心身に及ぼす害があり、長時間眠る人ほどその影響を強く受ける。睡眠は万病の元。
1日6時間であれば人生の4分の1、1日8時間であれば人生の3分の1を占める睡眠時間を否定するわけですから、もしかしたら自分自身や人生そのものを否定されるように感じる読者もいるかもしれません。 当然、そのように受け止められるのは本意ではありません。睡眠の常識に一石を投じて、みなさんに冷静な目でもって睡眠について考えていただきたいのです。
「もしかしたら睡眠の常識によって、私は悩むべきでないことに悩み、心身ともに不健康になっているかもしれない……」
そんな視点を少しでも持ってお読みいただければと思います。
精神科医・ベストセラー作家
ゆうきゆう氏大絶賛!
眠れない方にこそ読んでほしい本。
睡眠への不安が消え、心が軽くなる!
快適な睡眠ライフを手に入れる方法も伝授!
本書では長い間に植えつけられてしまった睡眠の常識を引き剥がすことにとどまらず、眠気への具体的な対処法や「睡眠の質」を劇的に向上させる方法についても、多くのページを割いています。 ぜひ、本書を読むことで、快適な睡眠ライフを手に入れてください。
引用:フォレスト出版
ポイント
- 睡眠不足は万病のもと、理想は7時間、眠れば疲れがとれる。
私たちが信じて疑わないこれらの常識を、著者はことごとく否定する。
- その多くは、根拠の薄い研究と、不安を煽って儲ける業界によって作られたものだという。
- 大切なのは睡眠時間の長さではない。
入眠と起床の質、そして眠気を自分で操る技術である。
サマリー
その常識が、あなたを不安にしている
「最近よく眠れない」「睡眠時間が足りていない気がする」。
そう口にするたび、健康への不安が頭をよぎる。
寝不足は身体に悪い、早死にする、と世間では言われている。
だが著者は、その不安こそが問題だと言い切る。
著者は、1日平均45分以下で生活するショートスリーパーだ。
もともとは8時間以上眠るロングスリーパーだった。
7年の試行錯誤を経て、睡眠を自在に操れるようになった人物である。
その過程でたどり着いた結論は明快だ。
世間の睡眠の常識は、ずさんな研究と業界の思惑が作り上げた虚像にすぎない。
そして本書の狙いは、読者をショートスリーパーにすることではない。
「悩まなくていいことに悩んでいないか」と一度立ち止まり考えさせることにある。
データは当てにならない
著者が最初に疑うのは、睡眠研究そのものだ。
「日本人は睡眠不足だ」という言葉の根拠は、都合よく切り取られたデータが多いという。
ところが最も信頼できる総務省統計局の数字を見ると、20〜49歳の睡眠時間はむしろ近年伸びている。
権威ある実験結果も、中身は心もとない。
「夜勤明けの医師がミスをした」というスタンフォード大学の研究について、著者はこう一蹴する。
徹夜明けに退屈な作業をすれば、誰だって眠くなる。
それだけのことを、さも重大な発見のように語っているだけだ、と。
「短眠は早死にする」という恐怖にも、確かな裏付けはない。
よく引き合いに出される「短命だったショウジョウバエ」の研究は、薬物で遺伝子を無理やり変異させた異常な実験だ。
人間に当てはめられるものではない。
むしろ野生の象と動物園の象を比べれば、長く眠る動物園の象のほうが短命だというデータすらある。
著者が説くのは、数字の読み方を疑えということだ。
睡眠不足で肥満ホルモンが増えるとされるグレリンは、正式には成長を促すホルモンである。
同じデータが、寝不足は太るとも、寝ない子は育つとも読める。
睡眠に限ったことではないが、報道に対して冷静な視点が求められるのだ。
「7時間がベスト」は、誰が決めたのか
なぜ人は眠るのか。
著者がその道の権威に尋ねても、返ってきたのは「眠たくなるから眠るんだ」という単純な答えだった。
睡眠は、いまだに科学のブラックボックスだ。
7時間睡眠が長生きという有名な説も、根拠の調査は対象は実は入院患者だった。
激痛で眠れない人、動けず眠り続ける人。
そんなデータを健康な人に当てはめられるはずがない。
さらに著者が突きつけるのは、睡眠不足が思い込みだという事実だ。
そんなはずはないと思うことだろう。
時計を持たない地域の人々は、夏は4時間、冬は11時間眠る。
睡眠時間が倍以上変わっても、彼らは睡眠不足という概念すら知らない。
ブラウン大学の実験はさらに印象的だ。
同じ3時間しか眠っていない被験者のうち「8時間眠った」と伝えたグループは、誰も不調を訴えなかった。
反対に「3時間だ」と伝えたグループは、全員が睡眠不足を訴えた。
私たちを苦しめているのは、時間の短さではない。
「足りていない」という思い込みのほうなのだ。
不安を煽って、得をしているのは誰か
睡眠への不安は、誰かに作られたものだと著者は見ている。
日本で最も売れている薬のひとつが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬だ。
年間消費量は21億錠を超え、国際報告書では「不適切な処方の可能性」として日本だけが名指しされている。
仕掛けはよくできている。
時間が足りなければ睡眠不足。
足りていて不調があれば睡眠の質が悪い。
本人が問題を感じなくても気づかぬ睡眠負債。
どう転んでも何か問題があるに行き着く、出口のない迷路だ。
著者が最も警戒するのは、もっと寝ていいが甘い逃げ道になることである。
仕事や人間関係の悩みを、全て睡眠不足のせいにできてしまう。
しかし、眠っている間に、現実の問題は解決しない。
成果物が勝手に仕上がることもない。
動かせるのは、自分の行動だけだ。
眠ることには、害もある
意外に知られていないが、睡眠には負の側面もある。
眠っている間、体温は約1℃下がる。
それだけで免疫力は37%、代謝量は17%落ちる。
寝汗で水分は0.5〜1リットルも失われ、血流も滞る。
この三つが重なり、起床時の血液はドロドロになる。
早朝や、長く眠りがちな正月に心筋梗塞が増えるのは、これが一因だという。
ただ、著者は「眠るな」とは言わない。
睡眠不足もまたストレスを生み、心を病ませる。
問題なのは、眠る必要もないのに、不安から惰眠を貪ることだ。
ここで鍵になるのが、眠気との付き合い方である。
著者は眠気を4種類に分類する。
脳内物質アデノシンによるもの、食後など本能によるもの、退屈で脳波が下がるもの、そしていつもここで眠るという習慣によるもの。
原因が違えば、対処も違う。
カフェインは眠気の45分前にとる。
食後は歩いて血を巡らせる。
喫茶店の雑音で脳波を上げる。
眠ってしまう場所や時間のパターンを、あえて崩す。
眠気は耐えるものではない。
仕組みを知れば、操れるものなのだ。
入眠と起床さえ整えば、悩みは9割消える
睡眠の満足度を決めるのは、時間ではない。
「入眠と起床だ」と著者は言う。
寝つきをよくするには、日中に運動して脱力の準備をする。
就寝1時間前に湯船に入って体温を上げる。
そして、こう寝なければというこだわりを捨てる。
最初の90分に睡眠の効果の大半が詰まっているため、酒は寝る2時間前までに切り上げる。
起床の核心は、二度寝とスヌーズをやめることだ。
二度寝を繰り返すと、身体は「起床ホルモンを出しても無駄だ」と学習してしまう。
目覚めは、どんどん辛くなる。
逆にきっぱり断てば、身体は自然と起きられるよう調整を始める。
そして著者が勧めるのが、野生動物のように何度も眠る多相性睡眠と、15分以下の仮眠パワーナップだ。
仮眠の間隔は2時間以上空けること。
それだけで、短い眠りでも睡眠物質を効率よく流せる。
睡眠の手綱を、自分の手に取り戻す
著者が伝えたいのは、睡眠に関する常識を疑えという姿勢である。
それは、奇抜な短眠法を押し売りするためではない。
私たちは、作られた不安を抱え込み、眠れない自分を責めている。
そして私たちに与えたいのは、その呪縛をほどく視点だ。
情報の出どころを、自分の目で確かめること。
睡眠時間という数字への執着を、手放すこと。
睡眠を恐れるものではなく、操るものと捉え直すこと。
眠れない夜に不安がよぎったとき、本書の言葉を思い出すだけでいい。
それだけで、心はいくらか軽くなっているはずだ。
手綱を握り直したとき、見える景色は、これまでとは違っている。
From Summary ONLINE
本書は、私たちが当たり前に信じてきた「睡眠の常識」を、研究データの検証から根こそぎ問い直す一冊だ。
私自身も睡眠に関する常識に囚われていることに気づかされた。
カフェインの使い方や入眠・起床の技術など、今日から試せるノウハウも数多く収められている。
「眠れないこと」に不安を感じている人、睡眠時間に振り回されず日中を充実させたい人に、ぜひ手に取ってほしい。