インフォメーション
| 題名 | 一生モノの「学ぶ力」を身につける: 国見流結果を導く会計学習メソッド |
| 著者 | 国見健介 |
| 出版社 | 中央経済社 |
| 出版日 | 2023年2月 |
| 価格 | 2,090円(税込) |
一生モノの「学ぶ力」を身につける ―国見流 結果を導く会計学習メソッド
正しい「やり方」を身につけられれば、資格試験で結果を出すことはもちろん、ビジネスやキャリアにおいても効果的に成果を出していくことができるでしょう。
勉強は生涯続きます。
本書を通して、まさに「一生モノの学ぶ力」、結果を出す技術を身につけていただくことができれば幸いです。
(本書「はじめに」より)
引用:Amazon
ポイント
- 著者が本書を通して伝えたいのは、「やり方次第で結果や可能性は大きく変わる」という考え方だ。
- 重要なのは、「目標」と「現在地」の差を認識し、その距離をどう埋めていくかを考えることである。
- 答えだけを覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」を問い続けることで 知識同士の結びつきは強化され、別の場面でも応用できる力へ変わっていく。
サマリー
勉強の成果を決めるのは「量」ではなく「やり方」
著者は、公認会計士であり、長年にわたり会計受験指導に携わってきた国見健介氏である。
本書は、20年以上にわたり1万人以上の受験生と向き合い、多くの合格者を輩出してきた経験をもとに構築された学習メソッドをまとめた一冊だ。
会計資格の受験生向けに書かれているが、その内容は資格試験の枠を超え、仕事や人生にも応用できる「学ぶ力」の本質に迫っている。
著者が本書を通して伝えたいのは、「やり方次第で結果や可能性は大きく変わる」という考え方だ。
学習成果は「量×やり方×モチベーション」で決まると整理されており、一定量の努力は必要である一方、量だけを増やすことには限界があるという。
成果を大きく左右するのは、努力量そのものではなく、その努力を成果につなげる「方法」にある。
そして著者は、その結果を生み出す技術としての「やり方」は、生まれ持った才能ではなく、後天的に身につけられると説く。
本書は、一生使える「学ぶ力」と、結果につなげる技術を身につけるための実践書である。
「勉強のやり方」を考える前に、「何のために学ぶのか」を考える
本書では、勉強の成果は「やり方」によって大きく変わるという前提に立ちながら、その前段階として「なぜ学ぶのか」という目的について多面的に問いかけている。
著者は、学ぶ目的を単なる資格取得や点数向上に限定していない。
個の力を高め、自分らしく生きる力を養い、人生をより良い方向へ変えていくことまで含めて「学ぶ意味」と捉えている。
その考え方の一つとして示されるのが、「自責思考」を高めるという視点である。
ここでいう自責思考とは、自分を責めることではない。
環境や他者に原因を求め続けるのではなく、起きた事実に対して、自分は何を変えられるのか、自分はどう考え、どう行動するのかに意識を向ける姿勢である。
著者は、自分でコントロールできる領域に意識を向けることが、学びや成長につながると説く。
そして、こうした勉強の目標や本質を認識したうえで、初めて勉強方法を考える必要があるという。
本書では、勉強のやり方はあくまで「手段」であると繰り返し語られる。
受験でいえば、その勉強を積み重ねた結果として、合格する実力が身についたかどうかがすべてなのである。
毎日10時間勉強することや、問題集を3周解くことは、目標達成のための手段にすぎない。
「何のために」を見失い、手段だけにフォーカスすると、本来目指す成果から遠ざかってしまう。
目的を明確にし、その達成に向けて正しい努力を積み重ねていく、その過程の中でこそ、本書がいう「結果を出す力」は養われていくのだ。
学習戦略は「目標」と「現在地」から始まる
著者は、成果を生み出すためには、まず目指す地点と現在地を正しく把握する必要があると説く。
目標だけを見ていても、今の自分の位置がわからなければ適切な行動は選べない。
重要なのは、「目標」と「現在地」の差を認識し、その距離をどう埋めていくかを考えることである。
本書では、到達したい姿を細かく分解し、そこへ至る道筋を具体化することを重視している。
具体的には、「本当の目標」から大目標、中目標、小目標へとブレイクダウンし、実際の行動につなげていく発想である。
学習計画とは単に予定を埋めることではなく、成果につなげるための戦略設計そのものなのである。
そして、この戦略を支える土台として位置づけられているのが「理解」だ。
著者は、理解とは単に説明を聞いて納得することではなく、自分の言葉で説明できる状態だと捉える。
知識同士のつながりや構造を理解し、「なぜそうなるのか」を問い続けることで、知識は単なる暗記ではなく、応用できる力へと変わっていくからだ。
こうして目標設定、戦略、理解を積み重ねることで、継続的に成果を生み出す「学ぶ力」が育っていくのである。
「構造化」が理解を深め、応用できる知識へ変えていく
本書には、会計学習における「構造化」という考え方が紹介されている。
会計学習を例にすると、複式簿記を理解するだけでは十分ではない。
その知識を起点として、貸借対照表、損益計算書、原価計算へとつながりを意識しながら捉えることで、それぞれが独立した知識ではなく、一つの構造として見えてくるという。
著者は、このように知識同士をつなぎ、「結局こういうことだったのか」と自分の言葉で説明できる状態こそが理解だとしている。
特に印象的なのは、「具体と抽象の行き来」を繰り返すという考え方である。
個別論点の理解にとどまるのではなく、その背景にある大きな考え方へ戻り、再び具体へ落とし込む。
この往復によって、知識は単なる暗記ではなく、納得感を伴った理解へ変わっていく。
そして、その過程で自然と生まれるのが、「なぜそうなるのか」を問い続ける姿勢である。
答えだけを覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」を問い続けることで 知識同士の結びつきは強化され、別の場面でも応用できる力へ変わっていく。
本書ではこのほかにも、理解した知識をどう暗記につなげるのか、忘却曲線との向き合い方、アウトプットによる定着、モチベーションを維持する考え方まで、実践につながる工夫が数多く紹介されている。
結果につながる『学び方』を見直したい人にとって、新たな視点を与えてくれる一冊である。
From Summary ONLINE
本書は、単なる勉強法の解説書ではなく、「学ぶこと」とどう向き合うかを考えさせてくれる一冊である。
印象的なのは、努力や根性を前提にせず、成果につながる思考や習慣を技術として捉えている点だ。
目標の置き方、考え方のクセ、知識との向き合い方など、学習そのものを見直す視点が随所に散りばめられている。
また、会計学習を題材にしながらも、内容は資格試験にとどまらず、仕事や日常の学びにも自然と重なる。
学んでも手応えを感じにくい人、自分に合う学び方を探している人に、新しい視点を与えてくれる一冊である。