インフォメーション
| 題名 | 論点思考 |
| 著者 | 内田和成 |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| 出版日 | 2010年1月 |
| 価格 | 1,760円(税込) |
――正しい論点で、問題解決力が劇的に向上する!
ロングセラー『仮説思考』の著者が明かす
コンサルタントの暗黙知を解説。
ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。企業は数え切れないほど多くの問題を抱えていて、それらをすべて解決しようと思っても、時間もなければ人も足りない。仕事には期限がある。こなすことのできる工数も限られている。その中で解くべき問題を設定し、選択し、それに取り組み、成果をあげなければならない。成果をあげるには真の問題を選びとることが大切だ。
この真の問題を著者が25年間勤めたボストンコンサルティンググループでは「論点」と呼ぶ。そして、論点を設定するという、問題解決の最上流に当たるプロセスが「論点思考」である。論点を設定することにより、考えるべきことが絞られ、問題解決のスピードは上がり、解決策を実行したときの効果も高くなる。成果を出すには、「正しい答え」でなく、「正しい問い」「解くべき問題」=論点が重要となる。「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという。
コンサルタントの世界では、与えられた問題の分析ができ、その問題が解決できるというだけでは、コンサルタントとして半人前。一流のコンサルタントは論点が何かを見つけだす能力に優れているのだ。そして、パートナークラスのコンサルタントであれば、他の調査・分析作業は部下に任せることがあっても、論点の設定だけは自らが徹底的に行なう。
本書はこれまでコンサルタントの頭の中にしまい込まれていて名人芸と思われていたものを、読者のわかる形に分解し、やさしく説明している。日ごろの業務の中で「上司に言われた問題に取り組んでいるが、これでいいのか」「本当の問題は別にあるのでは」と疑問を持ちながらしている人、加えて、部下に問題・課題を与える立場にある管理職の人も必読の一冊。
引用:東洋経済STORE
ポイント
- どれほど優れた解決策を導き出しても、そもそも解くべき問題を間違えていれば成果にはつながらない。だからこそ、本書では「何を解くべきか」を見極める「論点思考」が重要になると強調するのだ。
- 本書では、論点思考には4つのステップがあると説明されている。①論点候補を拾い出す②論点を絞り込む③論点を確定する④全体像で確認する。特に重要なのが、「論点候補を拾い出す」段階だ。
- 著者は、論点を設定する力は一部の経営者だけに必要なものではなく、すべてのビジネスパーソンに必要な能力だと強調している。どの立場であっても、「本当に解くべき問題は何か」を考えられる人ほど、大きな成果を生み出せるからである。
サマリー
論点思考は「正しい問い」を見つける技術
本書は、ボストンコンサルティンググループ(BCG)で活躍してきた著者が、問題解決における「論点設定」の重要性を説いた一冊である。
著者は冒頭で、「仕事で大事なことは問題を解決することであるのはいうまでもないが、それは正しい問題を解いている場合にかぎる」と述べている。
どれほど優れた解決策を導き出しても、そもそも解くべき問題を間違えていれば成果にはつながらない。
だからこそ、本書では「何を解くべきか」を見極める「論点思考」が重要になると強調するのだ。
BCGでは、解くべき問題のことを「論点」と呼び、その論点を発見し、定義するプロセスを「論点思考」と位置づけている。
問題解決では、与えられた課題をそのまま解くのではなく、「本当に解くべき問題なのか」を問い直す視点が必要になるという。
現実のビジネスには、無数の問題が存在している。
しかし、そのすべてを解決することは不可能なため、成果を出す人は「何を優先して解くべきか」を見極めているというのだ。
論点を正しく設定できれば、考えるべきことが明確になり、不要な作業や思考を減らすことができる。
本書は、問題解決の前に「問いの質」を高めることこそが、仕事の成果を左右すると教えている。
与えられた問題を疑うことから始まる
著者は、コンサルタントとして常に意識してきたこととして、「最初に与えられた論点を疑う」姿勢を挙げている。
クライアントから提示された課題であっても、そのまま正しいとは限らないからだ。
これは一般のビジネスパーソンにも当てはまる。
上司から指示された課題に対しても、「なぜそれが問題なのか」「本当に優先すべきテーマなのか」を考えることが重要だということだ。
言われたことをそのまま実行するだけでは、大きな成果にはつながりにくく、むしろ、問題そのものを見直せる人ほど、本質的な解決にたどり着けるのである。
本書では、論点思考には4つのステップがあると説明されている。
①論点候補を拾い出す
②論点を絞り込む
③論点を確定する
④全体像で確認する
特に重要なのが、「論点候補を拾い出す」段階だ。
最初から一つの問題に飛びつくのではなく、「他に考えるべき論点はないか」を広く考えることで、本当の問題に近づいていけるという。
また、論点思考は単なるテクニックではなく、訓練によって磨かれる力でもある。
若いうちから「何が本当の問題なのか」を考える習慣を持つことで、将来的に大きな問題解決ができる人材へ成長していくのだ。
論点は仮説と検証によって磨かれる
本書では、論点は最初から完成された形で見つかるわけではないと説明されている。
重要なのは、仮説を立て、検証しながら論点を磨いていくことである。
著者が以前執筆した『仮説思考』が「どう解くか」を扱った本だとすれば、『論点思考』は「何を解くべきか」を扱った本である。
問題解決のプロセスは、大きく「問題発見」「問題解決」「実行」に分けられる。その中で、論点思考は特に「問題発見」の段階で力を発揮する。
一方、仮説思考は、問題解決の方向性を考える際に重要な役割を果たすという。
著者は、問題解決において重要なのは「正しい答え」を急ぐことではなく、「正しい問い」に近づくことだと示している。
仮説を立てて検証する中で、「そもそも問いがずれていないか」を何度も見直すことが必要になるのだ。
また、本書では論点思考は個人だけでなく、組織にも必要な力であると語られている。
会議やプロジェクトにおいても、論点が曖昧なままでは議論が発散し、意思決定の質も下がってしまう。
だからこそ、チーム全体で「何を議論すべきか」を共有することが重要になるのである。
「何を解くべきか」が成果を決める
本書は、成果を出す人は、「どう解くか」以上に、「何を解くべきか」を深く考えていることを教えてくれる。
現代のビジネスでは、情報も課題も増え続けている。
その中で成果を出すためには、限られた時間と労力を、本当に重要な問題に集中させなければならない。
論点思考とは、そのために必要な「問いを見極める力」なのだ。
著者は、論点を設定する力は一部の経営者だけに必要なものではなく、すべてのビジネスパーソンに必要な能力だと強調している。
どの立場であっても、「本当に解くべき問題は何か」を考えられる人ほど、大きな成果を生み出せるからである。
また著者は、論点思考は特別な才能ではなく、訓練によって高められる力だと述べている。
日頃から「なぜそうなるのか」「本当にその問題が重要なのか」と問い続けることで、論点を見抜く力は磨かれていくのだ。
論点は、最初から正しい形で見つかるわけではない。仮説を立て、検証し、修正を重ねながら少しずつ磨かれていく。本書は、問題解決の技術だけではなく、「問い続ける姿勢」の重要性も教えてくれる。
仕事で成果を出す人は、答えを急ぐ前に、「何を問うべきか」を考え続けている。
本書は、複雑な時代を生きるビジネスパーソンにとって、「正しい問い」を見つけ出す重要性を教えてくれる一冊である。
From Summary ONLINE
「問題解決」というと、「どう解決するか」に意識が向きがちだ。
しかし本書は、その前に「本当に解くべき問題は何か」を考える大切さを教えてくれる。
著者はBCGでの経験をもとに、与えられた課題をそのまま受け入れるのではなく、「その問いは正しいのか」と立ち止まる視点を伝えている。
論点を見極めることで、仕事の進め方や意思決定は大きく変わるからだ。
そして、論点思考は特別な才能ではなく、日々問い続けることで磨かれていく力であるという。
忙しい日々の中で、常に判断を求められるビジネスパーソンにこそ、ぜひ読んでほしい一冊である。