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【サクッとわかるビジネス教養 新地政学】

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インフォメーション

題名サクッとわかるビジネス教養 新地政学
監修者奥山真司
出版社新星出版社
出版日2024年7月
価格1,540円(税込)

急速にグローバル化が進んでいる時代。だからこそ、ビジネスの現場では世界情勢を知らなければなりません。世界情勢を理解し、話をするには「地政学」が必須!
本書は「特別な図解を見るだけで、地政学の会話・説明ができる」ようになります。地政学の第一人者「奥山真司」先生が伝授します。

○ニュースを本当に理解するには、地政学の知識が必要
アメリカと中国の関係、沖縄基地や北方領土の問題、中国の一帯一路政策など、日々さまざまなニュースが流れています。
これらを理解するには、その根本にある「地政学」の知識が大切です。
たとえば、
 ・なぜ、ロシアが北方領土を返還しないのか?
 ・沖縄基地を移転することが、なぜできないのか?
 ・竹島や尖閣諸島、対馬列島ではなにが起きているのか?
などは、地政学がわかると、とたんに理解できます。

○見るだけで、地政学の会話・説明ができる!
本書は、イラスト解説がメインになっています。特別なイラスト図解を見ながら、イラスト周辺の文字を読むだけで、世界情勢の根本がわかります。

○防衛省の幹部に教える、地政学の第一人者が伝授!
監修は、防衛省や大学などの教育機関で地政学を教えている奥山真司先生。
国防のプロにも、初心者にも教えている先生だからこそ、地政学の根本をわかりやすく解説されています。

○地政学に必要な6つの概念
奥山先生の提唱する「6つの概念」をベースに、地政学的な見地から世界の今を学んでいきます!
たとえば、リアリズム(現実主義)という概念があります。地政学的には、国際舞台で国の振る舞いを決めるのは、イデオロギーやカリスマ指導者、世論などではなく、リアルな軍事力や経済力だという考え方。言い換えれば、自尊心や恐怖心、経済的メリットなど、人間の本音のベースにあるものこそが、国を動かしているということです。

本書は、文字中心のテキストを読むのは億劫。もっと手軽に地政学のことを知りたい。それも上辺だけの理解ではなく、きちんと会話・説明ができるようになりたい! という方にぴったりの一冊です。

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改訂によって、国同士の関係や各種データを最新の情報に更新
○『サクッとわかるビジネス教養 地政学』が出版された2020年から、大きく変わった現在の国際情勢に合わせて中面も大きく更新。
わかりやすさはそのままに、細かな解説や各種データを最新の情報にリニューアルしています。
以下、具体的な改訂点です。
・「パレスチナ・イスラエル戦争」「ロシアのウクライナ侵攻」「台湾有事」「アメリカの分断」という4つのトピックスを追加して解説
・上記の追加分により、総ページ数は160P→176P
・その他、細かなデータや国際関係などで変化があったものは最新の情報に更新。大幅な修正が3割程度、ちょっとした修正が入るのが6割程度
・価格は、昨今のビジネス教養シリーズと合わせて1200円→1400円

引用:新星出版

ポイント

  • 地政学を簡単にいうと、「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチである。最大のメリットは、「自国を優位な状況に置きながら、相手国をコントロールするための視点を得られること」だ。
  • 地政学の根底にあるのは、「国家の行動は、その国の地理的条件によってある程度決まる」という考え方である。
  • 日本の歴史を地政学の視点から見ると、江戸時代までは海外との衝突はほとんどなく、島国でありながら内向きのランドパワー国家であったが、現在ではアメリカのシーパワー勢力の一員となっている。

サマリー

地政学を駆使すれば世界をコントロールできる?

地政学を簡単にいうと、「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチである。

例えば、海に囲まれている日本では大軍が押し寄せるリスクは少ない。

一方で、内陸国であるウズベキスタンは常に攻め込まれるリスクがあるため、防衛戦略が大きく異なる。

このように、防衛だけでなく国際政治やグローバル経済においても、国家の行動には地理的な要素が深く関わっているのだ。

地政学の最大のメリットは、「自国を優位な状況に置きながら、相手国をコントロールするための視点を得られること」である。

地政学を活用すれば、リスクの高い戦争で領土を奪わなくても、相手国から原料を安価で購入するなど、経済的に影響力を行使する方法を考えることができるのだ。

世界は「場所」で決まる

地政学の根底にあるのは、「国家の行動は、その国の地理的条件によってある程度決まる」という考え方である。

▪️ ランドパワーとシーパワー

「ランドパワー」とは、ユーラシア大陸に位置する大陸国家のことで、ロシアやフランス、ドイツなどが分類される。

一方、「シーパワー」とは国境の多くを海に囲まれた海洋国家であり、日本やイギリス、そして大きな島国ともいえるアメリカなどがこれに当たる。

人類の歴史では、強大な力を持つランドパワー国家が、さらなる勢力拡大を求めて海洋へ進出すると、自らのフィールドを守ろうとするシーパワー国家が衝突してくる。

この流れが歴史の中で何度も繰り返されているのだ。

「ランドパワーとシーパワーは両立しにくい」

これは歴史から浮かび上がる重要なポイントである。

 ▪️ チョークポイント

大規模な物流の中心は海路であり、そのルートを通る際に多くの船が必ず通過する海上の要所がある。

それが「チョークポイント」だ。

具体的には、陸に挟まれた海峡などであり、補給の関係上、必ず立ち寄る場所となる。

他国をコントロールする際、陸と海の両方に人員を配置するのは効率が悪いので、チョークポイントを押さえれば、低コストで大きな影響力を持つことができる。

日本の地政学

歴史

日本の歴史を地政学の視点から見ると、江戸時代までは海外との衝突はほとんどなく、島国でありながら内向きのランドパワー国家であった。

明治になると海洋進出を始め、昭和期には陸と海の両方へ勢力を広げていく。

もともとランドパワーであった日本が海外へ向かった理由には、明治期の産業の工業化によって農村に人口が余り、新しい土地が必要となったためである。

さらに、欧米諸国から国土を守ること、そして「アジアの盟主になる」という名誉を得るという目的もあった。

しかし日本は敗戦し、現在ではアメリカのシーパワー勢力の一員となっている。

国土

日本の地理的特徴は、海流や季節風に守られた島国であり、なおかつ自給が可能な面積を持っていることである。 

そのため海外から攻め込まれにくく、貿易をしなくても一定の国力を維持することができた。

実は、数千年にわたって外国からの侵略を受けず、独立を維持してきた島国はほとんど存在しない。

衝突

現在の日本の主な対立国は、中国と北朝鮮である。

一方で、米軍基地のある韓国とは基本的に協力関係にある。

しかし、朝鮮半島は、歴史的には長らく日本と対立してきたランドパワー勢力側に位置していた。

現在の関係は、地政学的に見ると例外的な状況ともいえよう。

なぜ北方領土はロシアから返還されないのか

日本とロシアの衝突が続く北方領土。

国際法上は日本の領土とされているが、返還が進まないのには次の3つの理由がある。

理由1

日本に北方領土が返還されると、そこにアメリカの基地が建設される可能性がある。

さらに現在、ロシア軍はオホーツク海に潜水艦を配置しているが、北方領土が日本側になると、その運用が難しくなるのだ。

理由2

2000年頃に開発された「北極海ルート」は、これまで通行が困難だったロシア北側を通る新しい航路であり、貿易の新たな道になる可能性があった。

しかし2022年のウクライナ侵攻により、その構想は停滞している。

この航路を他国から守るうえで、地理的に北方領土は盾の役割を果たしている。

理由3

ロシアにとって北方領土は戦略的に重要な地域であり、一方で、日本にとっての直接的なメリットはそれほど大きくない。

この重要度の違いが、返還交渉が進まない大きな理由となっている。

 衝突の根底にある「近海の争い」 とは

経済発展を遂げた中国は、世界の大国になろうとしている。

地政学的には、大国になろうとする国が最初に行うのは、近海の制覇だ。

世界の覇権国は、まず「近海の争い」に勝利し、その後に世界の海へと勢力を広げてきた。

つまり、対馬海峡や尖閣諸島をめぐる争いは、日本海や東シナ海の拠点を確保したいランドパワー国家の中国と、それを阻止しようとする日本・アメリカのシーパワー勢力との争いの一部なのである。

▪️ 周辺の島も危ない?

東シナ海周辺にある島々は、ランドパワー勢力が拠点として狙う可能性がある。
そのため日本も防衛を強化しており、

  • 2016年 与那国島
  • 2019年 宮古島
  • 2023年 石垣島

に自衛隊の駐屯地を開設している。

From Summary ONLINE

本書は、複雑な世界情勢を「地理」という動かない視点から読み解く入門書である。

国の行動は、地理(位置・資源・海・山)に大きく影響され、それによって安全保障や外交の考え方も変わる。

本書では、現在の世界情勢は「アメリカ vs 中国」という覇権争いとして整理され、日本がどのような立ち位置にあるのか、そして、どう向き合うべきかについても解説されている。

結局のところ、国も人間と同じで、「隣人が誰か」「家がどこにあるか」によって悩みや戦略は変わるのだろう。

イラストが多くて、視覚的にも理解しやすく、眺めているだけでも楽しい。

変化の激しい現代において、世界を見るための「コンパス」となる一冊である。

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