インフォメーション
| 題名 | 眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学 |
| 著者 | 亀田達也 監修 |
| 出版社 | 日本文芸社 |
| 出版日 | 2019年8月27日 |
| 価格 | 935円(税込) |
「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!
引用:日本文芸社
ポイント
- 社会心理学とは人びとの心の動きや行動を分析し、原因を究明することでなぜそのような行動をとるに至ったかを研究する学問である。
- 「フット・イン・ザ・ドア」といい、まずは小さな要求から受け入れさせ、その流れで本来の要求を成功させるテクニックがある。ストレートに本来の要求だけを承諾させようとした場合よりも成功率が高い傾向があるのだ。
- 経済学では、人は合理的な判断をするものだと思われてきたが、そうでもないことが分かった。それを裏付けるのが、ダン・アリエリー博士の「おとり効果」の実験である。
サマリー
社会心理学とは?
社会心理学とは人びとの心の動きや行動を分析し、原因を究明することでなぜそのような行動をとるに至ったかを研究する学問である。
社会心理学のテーマは、「個人の心理」「個人対個人」「集団の中での個人」と幅広く、さまざまな問題を解決する糸口になっている。
いわゆる偏見やステレオタイプはどうやって生まれるのか?
かつてのハロウィン暴徒化や企業の組織ぐるみの不正など、そこに属する個々人はその行為が悪いと分かっているはずなのに、なぜ起こってしまうのか?
こういった日常にある事例から社会心理学を学び、違った視点で世の中を見ていくことで新たな発見があるはずだ。
社会現象と組織・集団の心理学
ネットで炎上が激化するのはなぜか?
最近のインターネットでよく起こる現象が、炎上騒動。政治家の不適切な発言や、いわゆるバイトテロと言われる動画などがひとたびインターネットにアップされると、あらゆる非難と罵詈雑言とともに、瞬く間に拡散されるのである。
なぜインターネットでの発言は炎上し激化しやすいのか?
これは、社会心理学でいう「社会比較説」と「集団極化」にある。
人は、他者が自分と同じ考えだと分かると自信を持ち、その考えや意見をより強化する傾向があるのだ。これを「社会比較説」という。
SNSなどでは、自分と同じような考え・意見のコミュニティに属することが多いので、よりこの傾向は強くなる。
「集団極化」は、個人より集団で協議した時に出した結論の方が偏りやすいことであるが、もし集団にリスキーな考え方の人が多ければ、リスキーな結論に着地してしまう可能性が高い怖い現象ともいえるのだ。
また、炎上が激化しやすいのは、SNSの匿名性も加味されるだろう。
職場における心理学
人は自分の行動に一貫性を持ちたがる
訪問販売などで「5分でいいから話を聞いて下さい」と言われ、「5分だけなら」と思って断るつもりで話を聞いた結果、結局商品を購入していたということはないだろうか。
これは「フット・イン・ザ・ドア」といい、まずは小さな要求から受け入れさせ、その流れで本来の要求を成功させるテクニックである。
ストレートに本来の要求だけを承諾させようとした場合よりも成功率が高い傾向があるのだ。
小さな要求を承諾したあとに、次の段階の要求も受け入れるのは「自分が良いと感じてとった行動」に一貫性を持ちたいと思ってしまうからだ。
こういう心理のことを「一貫性欲求」という。
私たちは無意識のうちにこういった行動をとっているのである。
報酬はやる気をそぐ原因になる?
ある行動に対して「やる気」を起こすのに必要な心の働きを「動機づけ」という。
物事に関して面白さや興味を感じて行動する「内発的動機づけ」と、報酬を得たり、罰を逃れるために行動する「外発的動機づけ」の二つがある。
ビジネスでは「内発的動機づけ」が重要視されるが、注意点もある。
内的に動機づけられて行動している時に、外的な動機づけの要因である報酬をあたえることだ。
それが魅力的な報酬だったとしても、「内発的動機づけ」が失われ、やる気をそぐ場合があるのだ。
報酬はあたえれば良いというものではなく時として、マイナスの事態を引き起こすこともあるのだ。
個人と対人認知の心理学
人は必ずしも合理的な判断をしない
経済学では、人は合理的な判断をするものだと思われてきたが、そうでもないことが分かった。
それを裏付けるのが、ダン・アリエリー博士の「おとり効果」の実験である。
どう考えても選ばれないだろうと思われる見劣りする選択肢を入れておくことで、意志を変化させるのである。
大学生に雑誌の購読案内のアンケートを行い、次の3択から選んでもらった。
①WEB版のみ 59ドル
②印刷版のみ 125ドル
③WEB版&印刷版 125ドル
その結果、3分の2以上の学生が③WEB版&印刷版125ドルを選択したのだ。
出版社は、②は選ばれないということは百も承知である。
ではなぜ②を選択肢に追加したのか?それが③を購入させるための「おとり」だからである。
実際、②の印刷版を除いた次の2択でアンケートを行ったところ、3分の2以上の学生が①のWEB版を選んだのである。
①WEB版のみ 59ドル
(ここでは除く)
③WEB版&印刷版 125ドル
人は物事を比較して判断するので、②の選択肢を「おとり」として追加することで③がお得に感じられ、購入につながったのである。
こういった「おとり効果」が、身近な経済活動で使われていることは珍しくないのだ。
From Summary ONLINE
本書は、社会問題を解決する糸口になるという「社会心理学」が身近でわかりやすい事例を通し、イラスト図解を中心にまとめられている。
「社会心理学」の視点から社会や人間の心理をみると、新しい発見が多く、ビジネスにも大いに役立つ1冊だ。