インフォメーション
| 題名 | 「言いにくいこと」をうまく伝える |
| 著者 | 司 拓也 |
| 出版社 | フォレスト出版 |
| 出版日 | 2025年10月 |
| 価格 | 1,870円(税込) |
【パワハラ・モラハラを気にして
「言いにくいこと」を言えない
全マネージャー、リーダー必読の書】
部下にフィードバックをするとき、
「反発されたらどうしよう」
「雰囲気が悪くなったら嫌だな」
「モラハラ、パワハラと言われたらどうしよう」
「こんなことを言ったら、明日から来なくなるかも……」
そんなふうに思って、
言うのをためらった経験がある
リーダーやマネージャーが近年急増しているようです。
でも、言わなければ、
部下が変わらない。
チームや組織も良くならない。
では、どのように伝えればいいのか?
そんな悩みを抱えている
全リーダー、マネージャーに向けて、
部下を傷つけず、
パワハラとも受け取られずに、
「言いにくいこと」や「耳の痛いこと」を
上手に伝える技術
を徹底解説したのが本書です。
そのベースとなるのが、
日本随一のコミュニケーショントレーナーとして知られる
著者が体系化した
「QFB-3SC」コーチングメソッドです。
このメソッドを使えば、
相手に「言いにくいこと」「耳の痛いこと」を
ストレスフリーで的確に伝えることができます。
そしてなにより、
このメソッドで伝えられた相手は、
自ら考え、動き出します。
「心理的安全性」「パワハラ防止法」「早期退職」……、
このように上司にとって息苦しい環境であっても、
リーダーやマネージャーは、
上司として言わなければいけないことを、
しっかり相手に伝えられるようになります。
部下とのコミュニケーション、育成に悩む
全リーダー、マネージャーに役立つ1冊です。
引用:フォレスト出版
ポイント
- 企業のリーダーやマネジャー層の多くが、部下との関係性構築に苦しんでいる。まずは、部下を委縮させる「NGワード」や「NG対応」を知り、それをやめることから始めよう。
- 従来型のフィードバックでは、「もっと真剣に」など、部下の能力を否定していると受け取られがちな言葉を使っていた。これでは部下の成長にはつながらない。
- 著者が考案した「QFB-3SC」コーチングメソッドは、一方的な「指摘」ではなく、あくまで「対話」を軸とする。上司は「教える人」ではなく、部下の思考を整理し、潜在能力を「引き出すパートナー」に徹するのである。
サマリー
はじめに
今、企業のリーダーやマネジャー層の多くが、部下との関係性構築に苦しんでいる。
パワハラと受け取られるのを恐れて、身動きが取れなくなっている人も少なくない。
その核心にあるのは、伝え方と人間関係の課題だ。
本書で伝えるのは、相手の心に届く言い方やタイミングを最適化するための技術である。
「NG対応」をやめることから始めよう
部下のやる気を奪わないことは、リーダーには重要だ。
まずは、部下を委縮させる「NGワード」や「NG対応」を知り、それをやめることから始めよう。
ハラスメント回避のポイント
部下を、会議など大勢のいる場で叱責するのはNGだ。
相手は過度に萎縮し、素直に反省しづらくなってしまう。
周囲に人がいない環境で1対1で話すことで、部下はプライドを保ち、問題解決に集中できる。
憶測や抽象的な言葉も要注意。
例えば資料の提出遅延について、「いつも遅いよね」はNG。
「先週提出してもらった〇〇の資料だけど、期限から2日遅れていたよね」と、どの資料がいつ遅れたのかを明確に示すことが大切である。
「適当すぎる」「効率が悪い」「普通はこうする」などの言葉も、部下には理解できない。
何をどう改善すればいいのか、具体的に伝えよう。
感情的になったり一方的に話すのはもちろんNGだが、無自覚の場合も多いので、チェックリストなどで自分の行動を振り返ってみるといい。
対話を軸とするフレームワーク「QFB-3SC」
従来型のフィードバックの問題点
従来型のフィードバックでは、ストレートに指摘することが多かった。
例えば、取引先へのプレゼンで失敗した部下に対して、「全然準備できてなかった」「もっと真剣に」など、能力を否定していると受け取られがちな言葉を使う。
さらに、「なぜできなかったんだ?」と「なぜ詰問」で相手を追い詰め、最後に「しっかり反省して、次に活かせ」と精神論を語って終わる。
これでは部下は、何をどう改善すればいいのかわからない。
失敗を、「成長の糧」ではなく「トラウマ」として記憶してしまうだろう。
部下の成長にはつながらないのである。
「QFB-3SC」コーチングメソッドとは
著者が考案した「QFB-3SC」コーチングメソッドは、部下との対話を通じて共に成長するためのフレームワークである。
これは、一方的な「指摘」ではなく、あくまで「対話」を軸とする。
従来型のフィードバックが部下を「反省」させ、時には心を折ってしまうのに対して、このメソッドは、部下を「内省」させ、次への希望と具体的な道筋を与える。
根幹にあるのは、「部下には自ら問題を解決する力がある」という信頼である。
「QFB」で「引き出すパートナー」に徹する
プレゼンで失敗した部下へのフィードバックの事例に沿って、メソッドの活用法を見ていこう。
ここでは上司は「教える人」ではなく、部下の思考を整理し、潜在能力を「引き出すパートナー」に徹している。
●Q(Question & Agreement) 質問と合意形成
上司「今日のプレゼン、大変だったね。今後もっと良くしていくために、一緒に振り返りをしたいんだ」
まず部下をねぎらい、フィードバックの目的が罰や詰問ではなく、「未来のための共同作業」であることを伝えている。
●F(Fact Finding) 事実の確認
上司「何が起こったのかを具体的に整理してみよう。お客様から、『コスト削減効果』と『A社製品との違い』について質問があったよね。そのときのやりとりは、どんな感じだったかな?」
部下「『持ち帰って検討します』、『後ほど資料にまとめます』という回答になりました」
上司「そうだね。明確な回答ができなかった。そのときどう感じた?」
部下「お客様ががっかりされているのがわかりました……」
ここでは上司の主観や評価を排除し、客観的な事実だけを共有。
部下は冷静に状況を振り返ることができる。
●B(Because & Background) 背景と理由の探求
上司「回答ができなかったとき、〇〇くんの中ではどんなことが起こっていたんだろう? 次に活かすためのヒントを探したいんだ」
「なぜ?」という詰問を避け、行動の背景にある思考や感情、準備のプロセスに焦点を当てている。
部下は、自分の能力不足ではなく、「課題」として問題を捉え直すことができる。
「3SC」で解決策を一緒に見つける
次に「3SC」のフェーズへと進む。
「3S」とは、「Summary=要約と確認」、「Suggest=提案とアイデア出し」、「Support=支援の意思表示」である。
上司は「今日のプレゼンでは、……。こういう理解で合っているかな?」と、状況を整理して要約、確認(Summary)。
これが共通認識の土台となる。
次のアイデア出し(Suggest)での主役は、あくまで部下。
「同じプレゼンが明日あるとしたら、明日までにどんなことができると思う?」と、まず部下自身に考えさせることで、当事者意識と主体性を引き出す。
そして、「次のアクションは〇〇にしよう。僕が全力でサポートするよ」と支援することを伝える(Support)。
最後に、「C(Commit)=コミットメントと期限設定」を。
これは、対話で生まれた前向きなエネルギーを行動へと促すためのステップだ。
期限は上司が指示するのではなく、「いつ頃できそう?」と問いかけて、部下の口から言わせる。
そして「金曜の16時」など、次の予定を具体的に設定する。
これにより、行動計画が現実のものとして動き出す。
From Summary ONLINE
本書は、上司が部下に対して「言いにくいこと」をしっかり言うための技術を伝える。
特に、フィードバックの際の効果的な指導方法について詳細に解説。
ベースにあるのは、著者が考案した「QFB-3SC」コーチングメソッドだ。
一方的な「指摘」ではなく、「対話」を軸とするというのがポイントである。
4・5章では、上司がフィードバックに抱く心理的抵抗、不安や恐怖心について考察し、それを和らげる方法も伝授する。
部下とのコミュニケーションに悩んでいる上司の救いとなり得る一冊。