インフォメーション
| 題名 | 部活をがんばる中学生のための勉強法 |
| 著者 | 鎌田則和 |
| 出版社 | 秀和システム |
| 出版日 | 2025年7月 |
| 価格 | 1,650円(税込) |
「毎日が忙しくて、勉強する時間がない」「部活で疲れて、家に帰るととても勉強する気になれない」そんな、好きなことに夢中で、勉強する時間がないと悩むキミへ。本書は、部活や趣味をがんばっている中学生のために、第1志望合格率97.2%の個別指導塾塾長が勉強と部活を両立できている子を研究して見つけた「効率的に成績を上げるコツ」を教えます。「勉強をゲームのように楽しむ工夫を取り入れる」「数学は3つのコツで攻略しよう」など誰でも今すぐできる勉強法です。
引用:秀和システム
ポイント
- 中学生にとって、勉強だけでなく、部活動や趣味、友人との時間もかけがえのないものである。だからこそ本書は、「すべてをがんばろうとする」のではなく、時間を有効に使い、無理なく成果を出す勉強法を提案している。
- 本書で提案されているのは、ただ座って話を聞くだけの授業ではなく、「五感を使って授業に参加する」という姿勢である。
- 著者が実践してきた「勉強のやり方を勉強する」という考え方は、部活と勉強のどちらも大切にしたい中学生にとって、すぐに役に立つ有意義な指針となるだろう。
サマリー
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勉強と部活を両立できる「コツ」
著者自身、中学・高校時代はフェンシングに打ち込み、勉強との両立に悩んだ経験を持つ。思うように机に向かう時間が取れない一方で、周囲には部活と勉強をうまく両立している同級生が存在していた。
著者は彼らに注目し、どのように時間を使い、どのような勉強法でテストに備えているのかを観察・研究し、そのやり方を徹底して実践したという。
その結果、限られた時間の中でも着実に勉強の成果が表れ、部活を続けながら成績を向上させる方法をつかむことができた。
この経験は、現在の塾運営にも活かされており、著者の塾では、多くの生徒が部活動に励みながら学力を伸ばし、公立高校第一志望校の合格率は97.2%を誇っている。
中学生にとって、勉強だけでなく、部活動や趣味、友人との時間もかけがえのないものである。
だからこそ本書は、「すべてをがんばろうとする」のではなく、時間を有効に使い、無理なく成果を出す勉強法を提案している。
本書で紹介されるコツは、部活をあきらめずに成績向上を目指す中学生にとって、現実的で再現性の高い指針となるだろう。
もっとも効率の良い勉強法とは
効率よく勉強し、成績を上げるために、著者が最も大切だと強調していることは何だろうか。
それは、「学校の授業を真剣に受けること」である。
平日の一日は、その約3分の1を学校で過ごす。中学生にとって、もっとも長い時間を使って勉強している場所は、塾でも自宅でもなく、学校の授業なのだ。著者は、この時間を最大限に活かすことこそが、成績アップへの近道だと述べている。
本書で提案されているのは、ただ座って話を聞くだけの授業ではなく、「五感を使って授業に参加する」という姿勢である。
ここでいう五感とは、目・耳・脳・手・口の五つを指す。
黒板や資料を目で見て、先生の話を耳で聞き、その内容を脳で理解する。さらに、手を動かしてノートに書き、口を使って発表や質問をすることで、学んだことがしっかり身につくという考え方だ。
本書の大きな魅力は、こうした勉強の考え方が、中学生にも理解しやすい言葉で、具体的に説明されている点にある。難しい理論ではなく、「授業中に何をすればよいのか」「どう行動を変えればよいのか」がはっきり示されているため、すぐに実践しやすい。
著者は、授業を最大限に活かすための方法として、次の6つを挙げている。
①授業開始前に5分間の準備をする
②正しい姿勢で授業を受ける
③ノートは、後から書き足せるよう余白を充分に取って書く
④分からないことは質問し、その日のうちに解決する
⑤質問は、分かる点と分からない点を整理してから行う
⑥苦手な先生の授業ほど、予習をしてから臨む
いずれも特別に難しいことではなく、部活で忙しい中学生でも取り入れやすい工夫となっている。
テスト勉強の方法
本書では、日々の自宅学習や受験勉強などについても具体的なアドバイスが示されている。
中でも、特に部活と両立する中学生にとって大きな悩みとなる「定期テスト対策」について、丁寧に解説している点が特徴的である。
著者がすすめているのは、定期テストの勉強を「3週間前」から始めることだ。多くの中学生がテスト範囲の発表後、1〜2週間前から慌てて勉強を始める中で、あえて早めに準備を進めることで、余裕をもって対策できると述べている。
具体的なスケジュールは、次のように整理されている。
3週間前:できること・できないことを見極める「仕分け」の期間
2週間前:できなかった内容を重点的に学び直す「やり直し」の期間
1週間前:知識を固めるための「仕上げ」の期間
前日:最終確認を行い、1点でも多く取るための「勝負に徹する」日
このように段階を分けることで、勉強内容に優先順位をつけやすくなり、限られた時間でも効率的に取り組むことができる。
また、著者がもっとも効果的なテスト勉強法としてすすめているのが、「学校のワークを3周する」という方法だ。
定期テストでは、学校から配布されているワークやプリントと似た問題が出題されやすいため、まずは学校教材を完璧にすることが重要だからだ。
ポイントは、1回解いて終わりにしないことである。
間違えた問題やあいまいな問題を中心に、3回繰り返すことを目安に取り組むことで、知識が定着しやすくなると説明されている。
一般的にテスト範囲が発表されるのは1〜2週間前であるが、著者はあえて3週間前から準備を始めることで、「1週間前を仕上げの時間にできる」点を強調している。
テスト当日に向けて追い込むのではなく、テスト1週間前の時点で、どこまで完成しているかが成績を左右するという指摘は、本書の重要なメッセージの一つである。
勉強のやり方を勉強する
本書は、部活や好きなことに打ち込む中学生に向けて、「時間がない中でも成績を伸ばすための考え方と行動」を具体的に示した一冊である。
勉強量を増やすのではなく、学校の授業を中心に据え、定期テストや受験に向けて早めに準備し、計画的に仕上げていく姿勢を重視している点が特徴だ。
内容は中学生が手に取って理解しやすい言葉で書かれており、「何をすればよいのか」「どこから始めればよいのか」が明確に伝わる。
著者が実践してきた「勉強のやり方を勉強する」という考え方は、部活と勉強のどちらも大切にしたい中学生にとって、すぐに役に立つ有意義な指針となるだろう。
From Summary ONLINE
部活動に力を注ぐ中学生にとって、勉強との向き合い方は悩みの種になることが多いだろう。
本書は、そうした日常の中で「どうすれば無理なく成果につなげられるのか」を丁寧に考えさせてくれる一冊である。時間が限られているからこそ、日々の学校生活の中にある学びの機会をどう活かすかに焦点が当てられている点が印象的だ。
中学生が読んでも分かりやすい表現でまとめられており、勉強に苦手意識がある中学生や、忙しさから自信を失いかけている生徒にとって、前向きなきっかけを与えてくれる一冊だ。