インフォメーション
| 題名 | 君がオヤジになる前に |
| 著者 | 堀江貴文 |
| 出版社 | 徳間書店 |
| 出版日 | 2010年10月 |
| 価格 | 1,320円(税込) |
38歳を迎える今、堀江貴文が発信する、新しい時代のための知恵とルール。 経済の先行きが見えず、保守化する社会情勢の中、不安と生きづらさを抱えている20〜30代。彼らが、生き抜き、突破するためには、何よりも「思考停止」しない生き方が重要だ。 ビジネス術、転職、出世、結婚、子育て、生活習慣等について、「オヤジ」世代に差しかかった著者が、初めて「君」の痛みに対して向き合う。
引用:Amazon
ポイント
- 「オヤジ」とは年齢的なものではなく、家族との向き合い方や仕事への接し方など、あらゆることの改善を放棄してしまった人のこと。
- 「オヤジ」は思考停止してしまった瞬間から始まる。オヤジ化しないためには、常に思考することが重要である。
- 思考し続けるためには、一つひとつのことを徹底的に考え抜くことが必要。安定を求めてはいけない。
サマリー
「オヤジ」の定義とは?
この書籍のタイトルにある「オヤジ」とは、年齢的なオヤジを指しているのではない。
家族との向き合い方を始め、仕事への接し方、服装や体型に至るまで、様々なことを現状維持で改善しなくなってしまった人のことである。
すなわち「思考停止」してしまった人たちのことを指す。
著者の堀江氏は、このような思考停止してしまっている人たちが、本来「オヤジ世代」ではない若い世代にまで拡がってきていると警鐘を鳴らしている。
将来に色々な不安や不満を口にはするものの、それを自らの手で打開しようとする意思がない。
そういう人たちが、どんどん増えてきているのではないかと危機感を抱いているのだ。
では「オヤジ化」しないために、我々は一体どうしたらいいのか。
結論は「常に思考し続けること」である。
これに尽きる。
世の中の常識や風潮、本当に正しいのかわからないルールに縛られ、身動きがとれなくなった瞬間から、オヤジ化は始まる。
本書ではオヤジ化しないように、思考を止めないための著者からの提言が各年代別に分けて構成されている。
それでは数ある提言のうち、各年代別に分けて厳選してご紹介していこう。
「25歳の君へ」
・著者の提言 :素早く動き、提案を続ける
・思考停止の状態:良い商品を作ってさえいれば、何もせずとも売れる
これからの時代は、商品の存在を知らせるだけではなく「消費欲そのもの」を喚起させることが重要である。
そのためには、口コミサイトやX(旧Twitter)などのネットサービスを駆使し、既存の媒体と連動させて、ユーザーに「欲しい」とまで思わせる取り組みが必要だ。
また、他の方法としては知名度のあるブロガーに自社商品を届けることも有効な手段である。
今の時代に必要な能力は「行動」と「提案」である。
自分の思考で情報をリサーチして、素早く行動を起こす。
良い商品を作ってあとは待つという、旧来の考えに疑問を持たず思考停止していては、成績など上がるはずがない。
最初は提案しても上司に冷たくあしらわれるかもしれないが、それは問題ではない。
自分の頭で考えている人の話は、いつか必ず誰か耳を傾けてくれるはずである。
・著者の提言 :転機がほしいのはヒマ人だからだ
・思考停止の状態:モヤモヤが打破できず、結婚や起業を通して人生に転機を起こそうとしている
モヤモヤを解消する方法は「忘我の境地にまで至る強烈な体験」をすること、または「何かにハマる」ことである。
結婚や起業といった行為は、普段あなたが感じているモヤモヤを突破させる一発逆転の儀式とはならない。
モヤモヤは思考が停止し、ヒマになっている証拠である。
「和をもって貴しとなす」という教育の中で評価されてきた、議論もしなければ、悪口からもすっと遠ざかる優等生にありがちな思考停止パターンだ。
スコーン!と突き抜けていないから、いつまでもモヤモヤとしてしまうのである。
例えば、眉間が熱くなるほど今の仕事に没頭するか、恋愛や趣味に全力で打ち込んでみるのはどうだろう。
経営、政治、恋愛、ジャンルは何でも良いから、なにかに一つに「ハマって」みよう。
それによってあなたは常に思考するようになり、結果としてモヤモヤからあなたを解放することになるだろう。
「28歳の君へ」
・著者の提言 :職業人としての努力を怠らない
・思考停止の状態:お客さんがくるのを待つ、幸運が舞い降りてくるのをひたすら待つ
この章では、あるタクシー運転手を例に思考停止パターンとそれに対する提言について述べられている。
このタクシー運転手は3人目の子どもが生まれたにもかかわらず、規制緩和政策が原因で手取り収入が10万円ほどになってしまったという。
そして、その根本的な問題は格差社会を容認している国にあるという主張を展開しているのだ。
しかしこのタクシー運転手は、はたして自分ができる職業人としての努力をしていたのであろうか。
タクシーの運転手に売上げをとる確実な方法は何かと問うと、成田や羽田空港の車列に並ぶことだと答える。
しかし、この考え方は思考がすでに「停止」している。
捕まえたお客さんが近距離利用客でない確証など、どこにもないのだ。
すなわち、タクシー運転手の正しい努力とは、成田や羽田空港で長距離利用客を待つことではない。
「もう一度この人の車に乗りたい」
こう思ってもらえるよう努めることが、タクシー運転手という職人のあるべき姿である。
そのためには、カーナビを完璧に使いこなせるようになったり、上客の乗ってくる場所や店をデータにしておいたり、いいお客さんが来たときに「次回もお願いします」とティッシュを渡したりと、方法はいくらでもある。
これだけでも、売上は1.5倍ほどにはなるだろう。
自分ができることは何か、職業人として努力できることは何か、これらに想いを巡らせ実践することが思考することである。
空港で何時間も幸運が舞い降りるのを待つのは、まさに思考停止だ。
「32歳の君へ」
・著者の提言 :情報を持って未来を見通せ
・思考停止の状態:知らない、面倒くさい、やり方を変えたくない
「知らない、面倒くさい、やり方を変えたくない」
こういう人たちのことを著者は「情報弱者」と呼ぶ。
現代を生きる我々にとって最も必要なものは、資金でも人脈でもなく「情報」である。
情報を持つということは、未来を見通す力になるのだ。
情報弱者は、労力や時間の多くを無駄に消費している。
そして、多くがその事実にまったく気づいていない。
「流行なんかに振り回されない」
「無駄なことにも発見はある」
このような考えを持ち、時代の転換点を敢えて見逃す者に、決して未来はない。
新しい情報を持っている人と知らない人の差は非常に大きく、話が噛み合うこともない。
情報を多く所持するためにあらゆる手段を尽くそう。
情報を手に入れることによりある程度の未来を見通すことができ、失敗のリスクを最小限抑えることができる。
現在のやり方に固執して情報を取りに行かないという「思考停止」の状態は、理想の未来を放棄することに等しいのである。
「35歳の君へ」
・著者の提言 :管理部も稼ぎを生み出せ!
・思考停止の状態:間接部門は利益をあげなくてもよい
著者は「間接部門」という考え方が大嫌いなのだそうだ。
なぜかというと、本来会社とは、あらゆる部門が利益をあげるために努力しなければならないと考えているからである。
社員を使って利益を得るためには、何をすべきか、どう考えればいいのかを、自らが実践せねばならない。
社外からの発注だけではなく、社内でも利益を生み出す発想が必要である。
その例として、著者のライブドア時代の社内の取り組みについて紹介されている。
一つ目は、管理部の社員が社内にコンビニや自動販売機を設置して、自社の社員にサービスを提供していたという例。
二つ目は、堀江氏がテレビに出演する際、広報部に出演交渉をさせて出演料を高く引き上げた例。
三つ目は、ライブドアがグループ企業になった頃、関連会社からシステム使用料をとった例である。
「管理部は利益をあげなくてもよい」という思考停止状態を阻止した事例と言えるだろう。
From Summary ONLINE
この「君がオヤジになる前に」は、ところどころ強い語調で書かれている。
これは著者の堀江氏が、思考停止に陥っている若者が多いことに危機感を感じているからだろう。
また、この書籍はそのような現代の日本社会の雰囲気を打破したいという想いも込められているように思う。
この書籍には、堀江氏の忖度ない提言が多く掲載されている。
「最近自分のやりたい事ができていない」「しがらみに縛られてモヤモヤしている」「思い切った挑戦を躊躇している」
このような悩みを持っているあなたには、ぜひ本書を手にとって欲しい。
あなたを「オヤジ化」から救い出してくれる一冊となるだろう。