インフォメーション
| 題名 | リーダーの否定しない習慣 |
| 著者 | 林 健太郎 |
| 出版社 | フォレスト出版 |
| 出版日 | 2025年8月 |
| 価格 | 1,760円(税込) |
22万部突破シリーズ最新刊「否定しないマネジメントのススメ」
本書は、シリーズ22万部を突破した
「否定しない習慣」の最新刊。
「部下やメンバーに対して、不満や不信感がある」
「組織やチームに一体感がない」
「指示待ちの部下が多い」
「ミスやトラブルを繰り返し、部下が成長しない」
「すぐに会社をやめてしまう」
「部下やメンバーとの関係がうまくいかず、イライラする」
そんな悩みを抱えるリーダー、マネージャーのための
必読書とも言える一冊になっています。
著者は、国内外の大企業をはじめとした
経営者、マネージャー、ビジネスパーソンなど
延べ2万人以上コーチングを行ってきた
リーダー育成を専門とするプロのコーチです。
部下やメンバーなどに対して、
否定しないコミュニケーションと考え方を
身につけることで、チームが劇的に変化することをみてきました。
チームマネジメントとして、
否定しないことを徹底することで、
組織の心理的安全性は驚くほど高まります。
それが、部下やメンバーの働きやすさ、
成長や自主性・自立性、関係性、
ポジティブな発言や思考、
チームとしての問題解決力が高まり、
リーダーと部下・メンバーとの信頼関係を高めます。
また、否定しないマネジメントを導入することで、
組織として風通しが良く、働きやすくなり、
離職率の低下にも繋がっていくのです。
本書をきっかけに「否定しないマネジメント」を学び、
否定しないリーダーの習慣をみにつけてみてください。
引用:フォレスト出版
ポイント
- 部下が育たない理由にリーダーの関わり方が原因にある可能性を指摘している。否定やダメ出しと受け取られないような言い方を意識してみよう。
- 部下が自分で考え、行動できるようになるには心理的安全性が必要である。安心して働ける環境作りを目指そう。
- 相手の意見をすぐに否定しない。まずは承認をすることが否定しないリーダーの秘訣だ。
サマリー
否定しないマネジメント
相手のことを否定しない
「何度言っても部下が動かない」
「先を考えて動いてくれない」
「正直、自分がやった方が早い」
など、部下やメンバーに対してイライラを募らせているリーダーは多いのではないだろうか。
後進の育成に時間を割いたり、上からプレッシャーを与えられる中で、自分の仕事でも成果を出さなければならず、ストレスを感じざるを得ない。
実際、リーダーにかかる責任の重さが報酬に見合ってないと感じて、出世や管理職につくことに興味を抱かない人が増えている。
本来は、職場の雰囲気や関係性が良い上で成果を出せることが理想的だろう。
そのためにやるべきことは、「相手のことを否定しない」ということ。
どのようにコミュニケーションを取れば、部下が自発的に考えて動けるようになるか、チームとして緊張感を保ちながらも楽しく働けるか、を本書では詳しく語られている。
部下の成長はリーダーの関わり方次第
著者は、部下が思うように育たない理由として「リーダーがどのように接しているか」を挙げている。
なかなか成果が出ない部下に対し、否定的な姿勢や対応をとると、相手は「ダメ出し」と受け取り自信ややる気がそがれてしまう。
良かれと思ったアドバイスをしてもどこかに否定があれば、ダメ出しと変わりないのである。
特に、ミスのたびに問いただしたり、感情的に怒ることが続くと、部下は怒られないようにと消極的な行動しかしなくなる。
成長が見られない部下を作り出しているのは、リーダーの関わり方にあるかもしれない。
心理的安全性が担保されて、メンバーのモチベーションや生産性をあげるためには「否定しないマネジメント」が重要なのだ。
心理的安全性とは
アメリカの心理学者エイミー・C・エドモンドソンが1999年に提唱した概念。
「組織におけるチームのほかのメンバーが発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」
部下の存在や意見、行動を無視したり拒否したりしない環境を指す。
この心理的安全性が高いと、積極的な発言が増え、パフォーマンスも上がり、安心して働ける場所として離職率も下がるという。
そのために意識すべき3つのステップがある。
ステップ1:聴く
最も効果的な方法で、まず意見や発言を聴いて受け止める。
最初から結論を決めつけるように聴いて評価するのでなく、承認すること。
相手がどのようにしてその考えに至ったかまで背景も聴こうとすることが大事だ。
ステップ2:問う
問いかけることで、相手自身が考え、選び、納得する過程を歩むことができる。
指示を出したり、答えを渡すのは早くて楽だが、成長を妨げることになる。
相手が自分の力で問題を解決できるように、質問をするように心がけてみよう。
ステップ3:任す
「聴く」と「問う」を経て、様々な可能性を探した上で「任せる」。
プロセスを評価し、必要な責任は一緒に負うことで、心理的安全性が保たれながら仕事ができる。
期限と目標をセットし、フォローしながら成長を見守ってみよう。
この3ステップが否定しないマネジメントの基本となる。
ただ優しくしたり怒らないようにすることではない。
相手が自分自身で思考し、行動できるように環境を作ることなのだ。
否定しないリーダーになるには
否定しないリーダーになるためには「承認」を意識してみよう。
相手の話や意見に対してすぐに反応せず、まずは受け入れる。
すぐに言葉を返そうとすると、知らず知らずのうちに否定が生まれていることがあるからだ。
相手の言ったことを簡単にオウム返しすると、相手は受け入れてくれたと感じやすくなる。
また、「正しさ」にこだわりすぎないことも大事な姿勢となる。
相手の意見がズレていたり未熟であったりしても、正そうとして最初から否定するのは良い方法とは言えない。
相手の意欲や可能性を奪わないように、まずは受け入れることがこれからの時代のリーダーに必要なことだ、と著者は言う。
否定しない話し方
「Yes+感謝」
相手の意見を聴いて、自分の意見を言う時におすすめの話し方だ。
実際のところ「そうなんだね、でも・・・」と自分の意見を伝える人は多いのではないだろうか。
最後に言うことが印象に残りやすい傾向がある中で「Yes+but」は否定になってしまう。
「そうなんだね、早めに教えてくれてありがとう」など、「Yes+感謝」でまずは受け止める。
その後に反対の意見を言えば、まずは自分の意見を受け止めてくれたと相手は感じているので、否定されたと感じにくくなる。
大切なのは、「でも」などのbutで自分の意見を言わないこと。
相手の発言にリスペクトの姿勢を見せることが重要だ。
「Yes+感謝+橋渡し」
会議など複数人いる中で使える話し方だ。
自分の意見を言うときも、誰かが意見を言ってくれた時も他の人に橋渡しするようにしよう。
これは、リーダーが意見に対して賛成や反対をすぐに述べてしまうと、他に意見を持っている人が発言しにくくなってしまうからだ。
リーダーが「みんなはどう思う?」と橋渡しをすれば、会議は”キャッチボール”から”ラリー”になる。
意見が飛び交う会議を作り出すことができる。
From Summary ONLINE
本書はリーダーとして悩んでいる人に手を差し伸べてくれる一冊だ。
上からのプレッシャーと下の様々な価値観と向き合う現代のリーダーの大変さを承知した上で、著者はエールを送りたいと思い、この本を書いた。
部下やメンバーと良い関係性を築きながら、成果も出せる方法が分かりやすく書かれてる。
リーダーになりたての人にも長年チームを率いている人にもおすすめしたい。