インフォメーション
| 題名 | あらゆる本が面白く読める方法: 万能の読書術 |
| 著者 | 一条 真也 |
| 出版社 | 三五館シンシャ |
| 出版日 | 2009年9月 |
| 価格 | 販売サイトによる |
・読んでも頭に入ってこない
・内容を忘れてしまうから、身につかない
・読書がなんの役に立つかがわからない
こうした悩みの原因は、「読書に向いていないから」でも、「頭が悪いから」でもありません。
原因は単にきちんとした方法論を身につけていないことにあります。
本書では、「あらゆる本が面白く読める方法」を著者の実例にもとづいて完全公開します!
【本書の凄味!】
[その1]冠婚葬祭業大手(株)サンレーの社長でありながら、大学の客員教授であり、
作家であるという一人三役を可能にする、驚くべき“本の読み方”がわかる!
[その2]評論家ではなく、実務家として、年間700冊以上の本を読み、
読書を経営に活かしている手法がわかる!
[その3]自宅にはもはや図書館とも呼んでもいい蔵書(その一端は、本書88-89ページ参照)を抱え、
日夜徹底して本を読みまくっている著者の本への愛情がわかる!
引用:Amazon
ポイント
- 読書に関する悩みの原因は、単に「正しい方法論」を身につけていないことにあるため、正しい読書術を学べば、これらの悩みはすべて解決できる。
- 目次は、内容を効率的に把握し、読書を進める上での「海図(かいず)」のような存在である。目次をしっかり読み込むことで、本全体の構造と、自分が今どの位置を読んでいるのかを把握できる。結果として、読書スピードも自然と上がっていくのだ。
- 「本に線を引く」という読書法の効果として次の2点がある。①後で読み返すとき、その箇所だけを読めば内容を思い出せる②どこに線を引くか考えることで、内容の強弱を深く理解できる。
サマリー
音声で聴く
本が読めないのは頭が悪いわけではない
読書における悩みには次の3つがある。
- 読んでも頭に入ってこない
- 内容を忘れてしまい、身につかない
- 読書が何の役に立つのか分からない
こうした悩みの原因は、単に「正しい方法論」を身につけていないことにあるため、正しい読書術を学べば、これらの悩みはすべて解決できる。
これから紹介する方法では、読書を始める前に一定の準備を整えることで、読書のアウトラインを頭に描けるようになる。
実際の読書は、その確認作業に近いものであり、理解度も格段に深まる。
読み終えたあとも内容が記憶に残り、いつでも「頭の引き出し」から取り出せるようになるはずだ。
この方法論によって、あなたの読書は間違いなく変わり、そしてあなた自身も変わっていくであろう。
著者像を具体的にイメージする
「読書しても内容が頭に入らない」「少し読んでは戻るを繰り返す」、このような状態では効率が悪く集中力も続かない。
内容を理解するうえで最初に大切なのは、「著者像を具体的にイメージすること」である。
意外に知られていないが、たとえばあなたのよく知る人から届いた手紙の内容は、スッと頭に入ってくるはずだ。
それは、その人の顔や声、話し方までを自然に思い浮かべ、著者を「語り手」として意識できているからである。
誰があなたに語っているのかが分かると、その内容の理解も驚くほど容易になる。
目次読みの重要性
目次は、内容を効率的に把握し、読書を進める上での「海図(かいず)」のような存在である。
目次をしっかり読み込むことで、本全体の構造と、自分が今どの位置を読んでいるのかを把握できるだろう。
結果として、読書スピードも自然と上がっていくのだ。
具体的には、まず章タイトルや小見出しをじっくり目で追い、全体像を3〜5分ほどかけてつかみ、それぞれの章で何を伝えたいのかをイメージする。
大切なのは、目次を眺めながら「この見出しは何について書かれているのか」を想像することである。
当たっているかどうかは問題ではない。
読書前のイメージ作りは、本の内容を受け入れるための「準備体操」のようなもの。
「内容をなるべく頭に残したい」「深く吸収したい」という人にとって、目次読みは極めて有効な方法である。
「まえがき」を熟読する
本一冊を「興行」と見立てるなら、「まえがき」は呼び込みや客引きの役割を担っている。
したがって、そこには著者の文章力や表現技法など、最高の技術が詰め込まれているはずだ。
もし「この本を買おうかどうか」と迷ったときは、まず「まえがき」を読んで、それが面白くなければ、買わないという判断もできる。
「まえがき」は、著者と読者の真剣勝負の場であり、ここで面白くなければ著者の敗北といってよい。
さらに重要なのが、目次と「まえがき」の関係である。
目次と「まえがき」を両方読むことで、論点が明確になり、内容を読み違えることも少なくなるだろう。
目次と「まえがき」の熟読はセットで行うことが、読書に入る前の欠かせない準備運動になる。
本に線を引く
著者の父親は会社を経営し、業界団体の会長も務める多忙な人だったため、父親の代わりに必要な本を読み、大事な部分にだけ赤線を引いて渡していた。
父親は「重要なポイントが一目でわかるので、全部読まなくて済む」と大いに喜んだという。
この経験を通じて著者は、「線を引く」という読書法の効果を実感するようになった。
慣れてくると、どこが重要なのかを自然に見極められるようになり、赤線を引くポイントが明確になると同時に、内容の捉え方そのものも鍛えられていく。
本に線を引くことの効果は主に次の2点である。
1,後で読み返すとき、その箇所だけを読めば内容を思い出せる
2,どこに線を引くか考えることで、内容の強弱を深く理解できる
著者はこれを父親への「孝行」として始めたが、多くの読書家も同じ方法を取り入れているという。
本への覚悟と愛情
線を引くことで、その本は世界で一冊だけの「自分専用の本」になるため、自然と愛着も湧いてくるだろう。
ただし、線引きや書き込みをした本は古本屋やブックオフで買い取ってもらえないが、そこにこそ意味がある。
あえて「傷物」にして市場価値をなくすことで、「この本は自分がずっと持っていくしかない」という覚悟が生まれるのだ。
そして、その本と人生を共にする覚悟ができたとき、深い愛情が生まれる。
愛情をもって本を読めば、その内容はきっと心の奥に染み込んでいくだろう。
From Summary ONLINE
本書で著者は、本を面白く読むことは、単なる娯楽ではなく、知識や感性を広げるための技術でもあると語っている。
つまり、本そのものが面白いかどうかということよりも、読者が「どんな角度から光を当てるか」によって面白さが生まれるのだ。
読書とは受け取る行為であると同時に、創造的な営みでもある。
また著者は、「全部読まなくていい」「難しい本を無理に理解しなくていい」とも述べており、
気楽に楽しみながら日常生活の一部にしていけばよいと感じた。
本を「人との出会い」のように楽しんでいきたい。
「本が読めない」「続かない」という人には、ぜひ読んでいただきたい一冊である。