インフォメーション
| 題名 | 言葉を短くする技術 |
| 著者 | 岡田 真一 |
| 出版社 | フローラル出版 |
| 出版日 | 2025年8月 |
| 価格 | 1,870円(税込) |
コミュニケーションに対して苦手意識を持つ人、急増中!
みるみる身につく!
「言葉を区切る技術」を学べば人生が変わる!
「あのとき、うまく言えなかった⋯」
「ちゃんと話は伝わってたかな?」
「あんなふうに言うつもりじゃなかったのに⋯」
そのモヤモヤする会話、本著で卒業できます!
引用:フローラル出版
ポイント
- 話が長い人は信用されない。また、長い話をしても、次の話が上書きされていき、長期記憶として定着しない。
- 話を短くするには、話をまとめるのではなく、言葉を区切る。
- 会話は「足りない」くらいでちょうどいい。全部を説明せず、相手に質問させよう。
サマリー
話が長いのはリスキーなこと
日本人は話が長い
日本人の9割は、圧倒的に話が長い。
はっきりとしたもの言いをしないのも要因の一つだが、挨拶を重視する礼儀正しさも問題だ。
本題に入るまでに時間をかけすぎるのである。
人間は、興味・関心がなければ人の話を聞かない。
だから、最初に相手が興味・関心をもつことを示さなければならない。
話のうまい人は、第一声で話の内容に注目させる言葉を発する。
話が長いと信用されず、伝わらない
話が長いと損をする。
まず、話が長い人は信用されない。
話が長い人に対しては、「だまそうとしているんじゃないか」というネガティブな印象を抱くからである。
たとえばセールスマンが自宅にやってきて、くどくどと説明をすると、「待てよ?」という気持ちになるだろう。
本当にいいものであれば、そんなに必死になる必要はない。
無理やり売りつけようとするのは、裏があるのではないかと思うのが、人の心理である。
また、話は長いほど伝わらない。
話を聞いているときに使われるのは、おもに短期記憶で、それはほんの数十秒。
長い話をしても、次の話が上書きされていき、長期記憶として定着しない。
親や先生に叱られたときも、内容はほとんど頭に残っていない人が大半ではないだろうか。
伝わらないということは、コミュニケーションがうまくいかないということ。
それは相手との関係性を悪くすることにもつながる。
一方で、一流の人は、言葉を極力短くして話し、話が長い人には近寄らない。
「まとめる」と失敗し、「区切る」とうまくいく
話をまとめてはいけない
話を短くしろというと、たいていの人は、話をまとめようとしてしまう。
しかし、会話やスピーチなどは、それではダメだ。
話をまとめるとは、話の内容を要約するということ。
それは、できるだけたくさんの情報をできるだけ効率よく伝える作業である。
だが、人の脳はそんなに多くの情報を処理しきれない。
情報が凝縮されていればいるほど、理解は追いつかないのである。
話は区切ったほうが伝わる
話を短くするには、言葉を区切る。
区切るとは、話の内容を分けること。
たとえば、日本人にありがちなのは、次のような話し方だ。
「○○会社で営業事務をしているのですが、その仕事で出会った女性に紹介されてここにいるのですが、初めて出会ったときに思ったことは、とても興味深いお仕事をされているなあということで、ぜひお話を聞かせていただいて、勉強になりますし、人生は勉強だと思うので、よかったらごはんでもいきませんか」
伝えたいことに行き着くまでが長すぎて、それが伝わるかどうかは疑問である。
これを、話の内容をばらばらにして並べてみる。
「私は○○会社の○○です。
営業事務をしています。
××さんに紹介されました。
とても興味深いお仕事をされていますね。
もっとお話を聞きたいです。
よかったら食事に行きませんか。」
一往復の会話で、伝えることは1個だけ。
相手がそこで返事をしてくれれば、双方向の会話が成立していく。
「まとめる」と「区切る」はどう違う?
まとめる=要約したほうが、シンプルで伝わりやすいのでは、と思われるかもしれない。
しかし、要約には「情報を取捨選択する」という作業が発生する。
それを会話の中で行おうとすると、1~2秒もない短い時間で、脳が情報処理をしなければならない。
相手にも、行間を読み取る負担をかけるし、勝手に行間を埋めてしまうことで、誤解が生じる可能性もある。
一方、区切ることは、ばらばらにして並べるだけなので、脳の負担は少ない。
そのぶん脳の容量を相手の表情などの部分に割き、より相手の感情に合わせて、軌道修正しながら話をすることができるのである。
「過去」の話の99%はいらない
話の内容は、大きく「現在」「過去」「未来」に分けられる。
話が長い人は、「過去」の部分、つまり今に至るまでのストーリーが長い傾向がある。
しかし、「過去」は聞き手にとってはあまり意味がない。
「今どうなのか」(現在)、「これからどうなるか」(未来)のほうが重要だ。
たとえば、待ち合わせに遅刻してきた人に、次のように言われたらどうだろう。
「出ようとしたら、母親から電話が入って、おじさんの具合が悪いらしくて、心配だから話聞いちゃって、そうしたら予定していた電車に乗れなくなって、連絡しようと思ったんだけど、まずは走って駅まで行ったほうがいいかなと思って、乗った電車が特快で、この駅止まらなくて……」
これでは「過去」のオンパレードである。
ここはシンプルに、
「遅れてごめんなさい」(現在)
「出がけに母親から電話が入り、大事な話だったので切れずにいました」(過去)
「お詫びにコーヒーごちそうしますね」(未来)
このくらいを目指してほしい。
「足りない」くらいでちょうどいい
人間の集中力は90秒で最初の限界がやってくる。
いつまでも相手が話していると、不快な気持ちがたまる。
会話は「足りない」くらいでちょうどいい。
全部を説明せず、相手に質問させよう。
そうすれば聞き手は退屈せず、コミュニケーションが活性化する。
From Summary ONLINE
著者は、話が長い=話が下手、それは損をすることだと言い切っている。
そして、言葉を短くすれば、すべてうまくいくという。
ここでいう言葉を短くするとは、「まとめる」ことではなく「区切る」ことである。
3章では、その具体的なテクニックが紹介されている。
コミュニケーションをとることが難しくなっている今、自分の話す言葉を意識することは重要だ。
話したいことをちゃんと相手に伝える力を鍛える必要がある。
本書は、そのために大いに参考になる。
仕事はもちろん、身近な人との会話にも役立つだろう。