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【今さら聞けない 日本政治の超基本】

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目次

インフォメーション

題名今さら聞けない 日本政治の超基本
著者朝日新聞社
出版社朝日新聞出版
出版日2025年5月
価格1,540円(税込)

 

超基本シリーズ15作目は「日本の政治」です。選挙のルールや、政党・国会運営の仕組み、内閣の役割、地方自治とは? 選挙で適切な候補者に投票するために。正しい政治が行われているかを知るために。最新データで徹底解説します。

引用:朝日新聞出版

ポイント

  • 政治での決定は、道路へのガードレールの設置やスーパーで手に取る日用品の価格といった日常生活に大きな影響を与えている。
  • 秩序を維持するのが政治の役目である。日本の政治は、国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)の3つの機関を基本としており、国会で法律を作り、内閣がその法律を運用し、裁判所でその法律をもとに判断を下している。
  • 日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三大原則として掲げている。個人が人間らしく生きる権利が保障されている。

サマリー

はじめに

2024年10月の衆議院選挙の投票率はわずか53.8%

戦後3番目に低い投票率である。

果たして本当にこれで良いのだろうか。

日常生活は政治で決定されることに影響を受けている。

例えば、

スーパーで手に取る日用品が値上がりしていたこと。

普段歩いている道路に新しくガードレールが設置されたこと。

などである。

政治と生活は多く関連があることに気がついてほしい。

本書は様々な視点から1つずつ分かりやすく政治を読み解いていく。

政治と選挙

日本の選挙制度

全ての日本国民に参政権があり、任期ごとに代表者を再選するのが選挙である。

日本の選挙は大きく2つに分かれる。

「国政選挙」は、国の仕事を担う衆議院と参議院の議員を選ぶもの。

「地方選挙」は、都道府県や市町区村の首長・議員を選ぶもの。

国政選挙も衆議院選挙と参議院選挙の2種類ある。

衆議院選挙は、4年間の任期満了で全員解散し、改めて全員が選挙される。

これを「総選挙」と言う。

有権者は、3つの投票を行う。

①全国を289の選挙区に分けて1人ずつ議員を選ぶ小選挙区 

②11の選挙区に分けて政党へ投票する比例区の選挙 

③最高裁判所裁判官の国民審査

である。

参議院選挙は、6年間の任期で3年ごとに半分の議員が入れ替わる。

これを「通常選挙」と言う。

①原則、各都道府県の代表者を選ぶ選挙区 

②選挙区はなく、全国から代表者または政党を選ぶ比例代表制

である。

政党は政策実現のために集まったグループ

与党と野党の違いは?

まず、政党とは国民の意見を集約して政治に反映させる集団である。

内閣を支え、組織し政権を担当する政党が与党。

政権に就いていないが、政策に対して批判や代替案を出し、政権運営を監視する政党が野党である。

政権交代は政権を担う与党である政党が代わることで起きる。

例えば、2009年に長く続いた自民党の政権に不満が高まり、新しい政治を期待された民主党に交代した。

このように新しい政策や視点を導入することで偏りを防ぎ、可能性が広がることがメリットとして挙げられる。

政治の仕組み

三権分立とは?

日本の政治は、国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)の3つの機関を基本としている。

それぞれが独立し、権力が1つに集中しないよう三権が相互監視する関係になっている。

社会が健全であるために法律を作り、秩序を維持するのが政治の役目である。

その法律を作ることが可能なのは、国会である。

他の国会の主な仕事は、予算の議決、行政府のチェックだ。

内閣は、総理大臣と国務大臣によって組織される合議機関である。

国会で議決した法律を実際に運用するのが仕事に当たる。

また、予算案の作成や政令の制定、外交関連も重要な仕事である。

そして、司法権が与えられている裁判所は何らかの争いごとが起きた時に、憲法や法律に照らし合わせて判断し、問題を解決する。

国民の権利を守り、生活の平穏と安全を保持している。

裁判所は、頂点にして日本で唯一1カ所しかない最高裁判所と他に下級裁判所がある。

誤審を防ぐための三審制が導入されている。

政治と憲法

三大原則

日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三大原則として掲げている。

アメリカの連合軍最高指揮官マッカーサーの要求により、主権を天皇から国民へと改めた。

国民主権は、政治の進め方を決める主体が国民であることを表し、民主主義の基本原理とされている。

選挙で選ばれた代表者が国民の意思を反映させていく政治を行うことを「間接民主制」という。

一方で国民の意思を直接反映させるのは「直接民主制」といい、国民投票、住民投票や国民審査がこれに当たる。

基本的人権とは、個人が人間らしく生きるため、生まれながらに持っている権利や自由のことである。

日本国憲法は「公共の福祉」という考え方を示し、個人が権利を乱用できないように定めている。また、自由権、平等権、生存権等人間らしく生きる権利が保障されている。

平和主義は、2つの宣言により徹底している。

憲法9条は、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認で構成されている。

1954年に設立された自衛隊は、9条に違反しているのではと議論されてきたが、日本防衛のためであり相手国を破壊するような武器は保持しないとし「専守防衛」を基本としている。

近年の主な政治課題ー国家財政

税金は皆で広く公平に分かち合う

社会インフラや公的サービスによって生活が支えられている。

税金はその負担を皆で負担し合うものである。

国の税収は、消費税、所得税、法人税の基幹3税が多くを占める。

社会保障費の増加は高齢化の進展が背景にある

超高齢社会の到来により、年金や医療、介護にあてる「社会保障給付費」が年々増加している。

一方で出生率は先進国に比較して低い状態が続いているため社会の主な働き手が少なくなっている。

国民一人あたりの社会保障費を含めた社会支出が1980年から2022年までに5倍に増えている。

無駄遣いをしている公共事業はない?

公共事業は社会資本である公共の施設などを国や地方自治体が整備する事業のことをいう。

道路や公園など長期間にわたり人々の役に立つストック効果がある。

また、地域経済の活性化にも繋がる。

しかし、社会資本が行き渡るとあまり必要でない施設が造られることもあり、

政府が公共事業を減らす場合もある。

近年では、老朽化したインフラ設備の更新が必要であるにも関わらず人手不足の課題がある。若い世代を建設業界に取り込むため、働き方改革を進めている。

From Summary ONLINE

政治と私たちの生活は密接に関わっている。

日常生活をより良いものにしていくには政治を少しずつでも理解していくことが必要になる。

本書では、分かりやすいグラフや絵、プラスアルファの情報も載っており、政治の仕組みなどに苦手意識のある方でも読みやすい内容になっている。

ニュースを見て気になったことがあるときは辞書のように目次や索引から探して読むのも良いだろう。

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題名正しくニュースを理解するために 今さら聞けない 日本政治の超基本
著者朝日新聞社
出版社朝日新聞出版
出版日2025年5月
価格1,540円(税込)

 

超基本シリーズ15作目は「日本の政治」です。選挙のルールや、政党・国会運営の仕組み、内閣の役割、地方自治とは? 選挙で適切な候補者に投票するために。正しい政治が行われているかを知るために。最新データで徹底解説します。

引用:朝日新聞出版

ポイント

  • 政治での決定は、道路へのガードレールの設置やスーパーで手に取る日用品の価格といった日常生活に大きな影響を与えている。
  • 秩序を維持するのが政治の役目である。日本の政治は、国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)の3つの機関を基本としており、国会で法律を作り、内閣がその法律を運用し、裁判所でその法律をもとに判断を下している。
  • 日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三大原則として掲げている。個人が人間らしく生きる権利が保障されている。

サマリー

はじめに

2024年10月の衆議院選挙の投票率はわずか53.8%

戦後3番目に低い投票率である。

果たして本当にこれで良いのだろうか。

日常生活は政治で決定されることに影響を受けている。

例えば、

スーパーで手に取る日用品が値上がりしていたこと。

普段歩いている道路に新しくガードレールが設置されたこと。

などである。

政治と生活は多く関連があることに気がついてほしい。

本書は様々な視点から1つずつ分かりやすく政治を読み解いていく。

政治と選挙

日本の選挙制度

全ての日本国民に参政権があり、任期ごとに代表者を再選するのが選挙である。

日本の選挙は大きく2つに分かれる。

「国政選挙」は、国の仕事を担う衆議院と参議院の議員を選ぶもの。

「地方選挙」は、都道府県や市町区村の首長・議員を選ぶもの。

国政選挙も衆議院選挙と参議院選挙の2種類ある。

衆議院選挙は、4年間の任期満了で全員解散し、改めて全員が選挙される。

これを「総選挙」と言う。

有権者は、3つの投票を行う。

①全国を289の選挙区に分けて1人ずつ議員を選ぶ小選挙区 

②11の選挙区に分けて政党へ投票する比例区の選挙 

③最高裁判所裁判官の国民審査

である。

参議院選挙は、6年間の任期で3年ごとに半分の議員が入れ替わる。

これを「通常選挙」と言う。

①原則、各都道府県の代表者を選ぶ選挙区 

②選挙区はなく、全国から代表者または政党を選ぶ比例代表制

である。

政党は政策実現のために集まったグループ

与党と野党の違いは?

まず、政党とは国民の意見を集約して政治に反映させる集団である。

内閣を支え、組織し政権を担当する政党が与党。

政権に就いていないが、政策に対して批判や代替案を出し、政権運営を監視する政党が野党である。

政権交代は政権を担う与党である政党が代わることで起きる。

例えば、2009年に長く続いた自民党の政権に不満が高まり、新しい政治を期待された民主党に交代した。

このように新しい政策や視点を導入することで偏りを防ぎ、可能性が広がることがメリットとして挙げられる。

政治の仕組み

三権分立とは?

日本の政治は、国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)の3つの機関を基本としている。

それぞれが独立し、権力が1つに集中しないよう三権が相互監視する関係になっている。

社会が健全であるために法律を作り、秩序を維持するのが政治の役目である。

その法律を作ることが可能なのは、国会である。

他の国会の主な仕事は、予算の議決、行政府のチェックだ。

内閣は、総理大臣と国務大臣によって組織される合議機関である。

国会で議決した法律を実際に運用するのが仕事に当たる。

また、予算案の作成や政令の制定、外交関連も重要な仕事である。

そして、司法権が与えられている裁判所は何らかの争いごとが起きた時に、憲法や法律に照らし合わせて判断し、問題を解決する。

国民の権利を守り、生活の平穏と安全を保持している。

裁判所は、頂点にして日本で唯一1カ所しかない最高裁判所と他に下級裁判所がある。

誤審を防ぐための三審制が導入されている。

政治と憲法

三大原則

日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三大原則として掲げている。

アメリカの連合軍最高指揮官マッカーサーの要求により、主権を天皇から国民へと改めた。

国民主権は、政治の進め方を決める主体が国民であることを表し、民主主義の基本原理とされている。

選挙で選ばれた代表者が国民の意思を反映させていく政治を行うことを「間接民主制」という。

一方で国民の意思を直接反映させるのは「直接民主制」といい、国民投票、住民投票や国民審査がこれに当たる。

基本的人権とは、個人が人間らしく生きるため、生まれながらに持っている権利や自由のことである。

日本国憲法は「公共の福祉」という考え方を示し、個人が権利を乱用できないように定めている。また、自由権、平等権、生存権等人間らしく生きる権利が保障されている。

平和主義は、2つの宣言により徹底している。

憲法9条は、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認で構成されている。

1954年に設立された自衛隊は、9条に違反しているのではと議論されてきたが、日本防衛のためであり相手国を破壊するような武器は保持しないとし「専守防衛」を基本としている。

近年の主な政治課題ー国家財政

税金は皆で広く公平に分かち合う

社会インフラや公的サービスによって生活が支えられている。

税金はその負担を皆で負担し合うものである。

国の税収は、消費税、所得税、法人税の基幹3税が多くを占める。

社会保障費の増加は高齢化の進展が背景にある

超高齢社会の到来により、年金や医療、介護にあてる「社会保障給付費」が年々増加している。

一方で出生率は先進国に比較して低い状態が続いているため社会の主な働き手が少なくなっている。

国民一人あたりの社会保障費を含めた社会支出が1980年から2022年までに5倍に増えている。

無駄遣いをしている公共事業はない?

公共事業は社会資本である公共の施設などを国や地方自治体が整備する事業のことをいう。

道路や公園など長期間にわたり人々の役に立つストック効果がある。

また、地域経済の活性化にも繋がる。

しかし、社会資本が行き渡るとあまり必要でない施設が造られることもあり、

政府が公共事業を減らす場合もある。

近年では、老朽化したインフラ設備の更新が必要であるにも関わらず人手不足の課題がある。若い世代を建設業界に取り込むため、働き方改革を進めている。

From Summary ONLINE

政治と私たちの生活は密接に関わっている。

日常生活をより良いものにしていくには政治を少しずつでも理解していくことが必要になる。

本書では、分かりやすいグラフや絵、プラスアルファの情報も載っており、政治の仕組みなどに苦手意識のある方でも読みやすい内容になっている。

ニュースを見て気になったことがあるときは辞書のように目次や索引から探して読むのも良いだろう。

目次