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【道をひらく】

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インフォメーション

題名道をひらく
著者松下幸之助
出版社PHP研究所
出版日1968年5月
価格1,210円(税込)

 

サッカー日本代表 田中碧選手が「人生において大切にしている本」としてTVで紹介!(2022/12/31)

2023年の東大入学式の祝辞で『道をひらく』が引用されて話題に!(2023/04/12)

など、各メディアにて続々と紹介!

 

昭和43年の発刊以来、累計560万部を超え、いまなお読み継がれる驚異のロングセラー『道をひらく』。

本書は、松下幸之助が自分の体験と人生に対する深い洞察をもとに綴った短編随想集である。

これまで、どれほど多くの人が本書に勇気づけられ、また成功への指針としてきたことか。

この本には、時代を超えて生き続ける不変の真理があるからである。

もし失敗して落ち込んでいるのならば、「自信を失ったときに」「困難にぶつかったときに」「運命を切りひらくために」の項が、きっと立ち直る勇気を与えてくれるだろう。

もし、経営で行き詰まってしまったら、「仕事をより向上させるために」「事業をよりよく伸ばすために」「みずから決断を下すときに」の項が、解決の方途を示してくれるはずである。

事業の成功者であり、それ以上に人生の成功者である松下幸之助であればこそ、その言葉には千鈞の重みがある。

あらゆる年代、職種の人に役立つ、永遠の座右の書である。

 

 「道」

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。

この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。

あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。

他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。

 (『道をひらく』より)

引用:PHP研究所

ポイント

  • 逆境に立たなければ、人間は成長できないというわけではない。どのような道を歩むのかではなく、どのように歩むのかが大切であり、与えられた境涯に素直に生きるということを、忘れてはいけない。
  • 努力したが道がひらけないというのは、夢を叶えたいという自分の思いに、もう一歩、弱さがあったのかもしれない。志は自分の軸であり、強い志があれば、夢にたどり着くことができるであろう。
  • 長い人生、ときには深い悲しみにつつまれることも、困難な状況に直面し、身動きできないこともあるだろう。しかし窮境に立つということは、わが身をもって知る大きなチャンスなのだ。「一陽来復」、困難を乗り越えた後に、また新しい出発への道がひらけてくると思うのである。

サマリー

運命を切りひらくために

素直に生きる

自身の道をひらくためには、自分自身が成長することが必要である。

著者はいう、「逆境—それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯にきたえられてきた人はまことに強靭である。」

逆境は自身を成長させる大きなチャンスなのだ。

だが、逆境に立たなければ、人間は成長できないというわけではない。

順境もまた逆境と同じように尊いのである。

「素直さは人を強く正しく聡明にする。逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさと聡明さを持つ。」と著者は語る。

同時に、素直さを欠くことで、逆境は卑屈になったり、順境は自惚れを生むと指摘している。

素直に生きることは難しい。

自分より上手くいっている人をみると、ときには卑屈になるかもしれない。

しかし、どのような道を歩むのかではなく、どのように歩むのかが大切であり、

与えられた境涯に素直に生きるということを、忘れてはいけない。

志を立てよう

自分の夢を叶えたいとき、まずはじめに何をするだろうか。

SNSで調べたり、尊敬する人に聞いてみたりするかもしれない。

だが著者はこう言う。

「志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ずひらけるのである。」

これまで志を何度も立てたが、そのたびに挫折し、諦めた経験があるかもしれない。

努力したが道がひらけないというのは、夢を叶えたいという自分の思いに、もう一歩、弱さがあったのかもしれない。

著者は「大事なことは、みずからの志である。みずからの態度である。千万人といえども我ゆかんの烈々たる勇気である、実行力である。」と激励する。

志は自分の軸になる。

強い志があれば、夢にたどり着くことができるであろう。

日々を新鮮な心で迎えるために

人事をつくして

「人事をつくして天命を待つ」ということばがある。

自分の全力をつくして努力した後は、どんな結果になっても受け入れるという心構えの大切さをいう。

それは、自分の期待とは違うかもしれない。

「いずれにしても、それはわが力を越えたものであり、人事をつくしたかぎりにおいては、うろたえず、あわてず、心静かにその事態を迎えねばならない。そのなかからまた次の新しい道がひらけてくるであろう」と著者は語る。

日常において「これだけのことをしてあげたのだから…」とか、「これだけの時間を投下したのだから…」と、つい自分の努力量に応じた成果を期待をしてしまうが、常にそう期待通りに物事は運ばないということを理解しなければならない。

ましてや、努力もなしに、ずるをしたり、裏技で一発逆転しようという発想はもってのほかだ。

「人事をつくして天命を待つ」

努力と運命のバランスを考える上で、とても重要な考え方である。

めまぐるしい日々ではあるが、ときには振り返り、自分を見つめてみることも大切であろう。

ともによりよく生きるために

縁あって

縁あって、私たちはこの世に生まれ、いろいろな人とつながりを持っている。

そうした繋がりは「自分がその団体に加入したから」とか「自分が勇気をもって声をかけたから」といったように、自分自身で選択してつくっているのだから、嫌になったら断てばいいと考えるかもしれない。

でも実はそうではないのだ。

著者は、「人と人とのつながりには、実は人間のいわゆる個人的な意志や希望を越えた、一つの深い縁の力が働いているのである。男女の縁もまた同じ。」という。

そう考えると、いま身近にいる人たちとの縁を大切に、そして有り難く思いたい。

縁あって出会えたことを謙虚に喜びあい、その中で、誠実にお互いのつながりを深めていくのだ。

人と人とのつながりは、安心感や支えを得ることができ、困難な時期を乗り越える大きな力となるだろう。

自信を失ったとき

一陽来復

長い人生、いつも楽しいことばかりではない。

何の苦労も、何の心配もなく、ただ日々を楽しめればよいが、なかなかそうはいかないものである。

ときには深い悲しみにつつまれることも、困難な状況に直面し、身動きできないこともあるだろう。

しかし著者は、「悲嘆のなかから、人ははじめて人生の深さを知り、窮境に立って、はじめて世間の味わいを学びとることができるのである。頭で知ることも大事だが、身をもって知るということが何よりも大事。」と励ます。

窮境に立つということは、わが身をもって知る大きなチャンスなのだ。

そう考えれば、苦しくても勇気が湧いてきて、また新たな決意ができるだろう。

「一陽来復」、困難を乗り越えた後に、また新しい出発への道がひらけてくると思うのである。

生きがいのある人生のために

勤勉の徳

災害や異常気象が続く昨今の日本、苦労して貯めたお金やマイホームなどの形あるものは、何かあれば一瞬にして失われてしまうこともある。

しかしながら、「身についた技とか習性とかは、これは生あるかぎり失われはしない。たよりになるのは、やはり自分の身についた技、身についた習性。」と著者はいう。

こうしたものは、生きている限り、失われることはないからだ。

とりわけ、勤勉の徳は、何にもまして尊いと著者はいう。

なぜなら、徳は不断の努力からうまれるものであり、結果として多くの信用や富を生むことができるからだ。

様々な情報が手に入る現代では、つい楽な方法を探したくなる。

だからこそ、現代ではこれまで以上に、勤勉の徳が必要なのではないだろうか。

近道を探すことではなく、目の前にある道を歩むために勤勉の徳を積みあげていきたい。

From Summary ONLINE

「道をひらく」は、人生や仕事における成功の秘訣や哲学が数多く詰まっており、今も読み継がれるロングセラー本である。

本書には、困難に直面したときの心構えや、成功するための具体的な行動、幸せに生きるための大切な指針が綴られている。

出版から56年の時を経てもなお、新鮮であり、また斬新であり、現在に生きる私たちの羅針盤になるであろう。

著者の言葉は、シンプルだが深い意味を持ち、どの人にも感動を与えるに違いない。

私たちに、勇気や希望を与える素晴らしい内容となっているので、すべての人に読んでもらいたい書籍である。

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