インフォメーション
| 題名 | 頼るのがうまい人がやっていること |
| 著者 | 有川 真由美 |
| 出版社 | 秀和システム |
| 出版日 | 2025年4月 |
| 価格 | 1,540円(税込) |
あなたは職場や家庭のなかで、多くの「やるべきこと」をひとりで抱え込んでいませんか? がんばりすぎて自分の心と身体が壊れてしまう前に「頼るスキル」を身につけましょう。本書は、人に頼ることが苦手だったベストセラー作家の著者が、頼るのが苦手なやさしく責任感の強い頑張り屋さんのために「頼るスキル」の磨き方を、具体例をあげながらわかりやすく紹介します。頼み上手になるコツと習慣、頼り頼られる心地よい「居場所」のつくり方がわかります。
引用:秀和システム
ポイント
- 辛いときは人に頼っていい。「人に頼れること」が自分の身を守り、成長、成功していく鍵となる。本書では、頼ることの重要性と“頼るスキル”を伝える。
- 「頼みごとをすると嫌がられる」は大きな誤解である。人から頼られれば気分が上がるもの。頼みごとをするのは、相手にとって「最高の気分を引き出すこと」と考えて、こちらから心を開いてみよう。
- 気軽に人を頼れるようになるには、日頃の習慣が必要だ。本書では、頼り頼られる人間関係であるために身につけたい習慣についてもお伝えする。
サマリー
まえがき
職場や家庭のなかで、多くの「やるべきこと」を一人で抱え込んでいる人は多い。
しかし、それは心をギリギリまで追い詰めてしまう原因にもなる。
辛いときは人に頼っていい。
頼り頼られることは、人間関係においても、目的を達成していくためにも有効であり、むしろ本来そうあるべきなのだ。
現代は、「人に頼れること」が自分の身を守り、成長、成功していく鍵となる。
本書では、頼ることの重要性と“頼るスキル”を伝える。
「頼ること」への心のブレーキを外そう
一人でできないほうがあたりまえ
子どもは「できなくてあたりまえ」だ。
幼いころは、すべてを大人に頼らなければ生きられなかったはずである。
しかし大人になると「一人でできるのがあたりまえ」が前提になり、大っぴらに人に頼ることができなくなってしまう。
「頼りたい。でも……」という心のブレーキは、大人の社会性の裏返し。
しかし、「頼りたい。でも、自分で解決するべき」「頼りたい。でも、相手に迷惑がかかる」という「でも」からあとは、思い込みによる勘違いがほとんどである。
実際は、頼ったほうがうまくいく場合が多い。
複雑な社会で生きる大人こそ、「一人でできなくてあたりまえ」。
まずは、心にブレーキをかけていた思い込みに気づくことが大切だ。
「人から頼られること」は気分がいい
「頼みごとをすると嫌がられる」は大きな誤解。
人から頼られることほど気分が上がるものはない。
職場で後輩から「仕事を教えてほしい」と頼まれたり、友人から「相談に乗って」とお願いされたりすると、自分は必要とされていると実感できる。
そして、なにかしてあげた相手が喜んでくれれば、それだけでお返しをもらったようなもの。
人間のいちばんの喜びは、「なにか与えてもらうこと」ではなく、「自分がなにかを与えられること」にあるのだ。
頼みごとをするのは、相手にとって「最高の気分を引き出すこと」と考えて、こちらから心を開いてみよう。
“自分でやったほうが早い病”
「家事を夫や子どもに頼みたい」「経理や書類作成をやってくれる人を雇いたい」
でも、「自分でやったほうが早い」と思ってしまう。
この“自分でやったほうが早い病”は、頼れない人の典型である。
その病にかかるのは仕事のできる人が多く、人に任せても「教えている時間がもったいない」「指示どおりにやってくれない」と思うもの。
根本原因は、「自分がいちばんできる」と思いこんでいることだ。
処方箋は、「頼ることでまわりも成長できるし、自分も人として成長できる」と全体に意識を向けること。
まわりを「できる人」として頼れば、よりよい方法を生み出してくれることもある。
全体の将来を考えれば、頼ることを覚えたほうが、自分の可能性もチームの可能性も広がっていく。
「頼るのがうまい人」がやっている習慣
“頼み上手”な人というのは、たんに頼み方がうまいのではない。
普段から、人の話を聞いたり親切にしたりして、まわりから「気持ちのいい人だな」と信頼されている。
だから頼まれた人は助けたいと思うのである。
ここでは、頼り頼られる人間関係であるために身につけたい習慣についてお伝えする。
あいさつに、ひと言プラス
頼み上手な人が大切にしているのが、「言葉を交わすこと」。
「おはようございます」「おつかれさまです」といったあいさつに、「いい天気になりましたね」「あれ?髪を切りました?」など、ひと言つけ加える。
すると、ただのあいさつがちょっとした雑談になる。
習慣的にそうしていると、相手との距離感がつかめる。
頼りやすい人かどうか、得意なこと、忙しい時間帯がわかったりして、協力し合うアクションがとりやすくなることもある。
あいさつは、頼りになる人を増やしていく最大のチャンスなのである。
初対面の相手から共通点を見つける
コミュニケーション力が高い人は、初対面の相手から、まず“共通点”を探そうとする。
年齢が離れていたり立場が異なっても、共通点があると心の距離はぐっと縮まる。
出身地や仕事、趣味、家族、好きな音楽や本などの話をしていると、大抵「私も同じです」という共通点が出てくるものだ。
些細なことでも近づこうとすることが大事。
共通点が多いほど、相手は親近感を覚えてくれるのだから。
人間関係を築く第一歩として、ゲームのような感覚で共通点を探してみよう。
「私たち」「一緒に」という言葉をよく使う
頼るのがうまい人は、「私たち」「一緒に」という言葉をよく使う。
協力するための主語は、「私」ではなく「私たち」。
「私たちがやっていることって、意味のあることだと思う」というように。
仕事を頼むときも、「この仕事、お願いします」より、「この仕事、一緒にやりませんか」のほうが心強く感じ、モチベーションも高まる。
実際、「一緒にやること」の効果は計り知れない。
「私たち」「一緒に」という視点をもつことで、頼り合うことのハードルも低くなっていく。
From Summary ONLINE
「人に頼れない」という人は、案外多いようだ。
著者自身がもともと頼るのが苦手で、一人で仕事を抱え込んで体を壊してしまったという。
それだけに、本書は「頼れない人」の気持ちに寄り添っていて、とても読みやすい。
著者は、現代は、「人に頼れること」が自分の身を守り、人生が輝く鍵になるという。
人に頼みごとがしにくい、自分ばかりたくさんの仕事を抱えている、などと自覚している人は、ぜひ読んでみてほしい。
第1章では、自分の「人に頼れる度」がチェックできる。
また、巻末には「頼み方」の実践編もあり、シチュエーション別に、言い方や頼み方のコツも紹介している。